女風は、用法・用量を守って正しく利用いたしましょう。

既婚ユーザー・ネギブロコの女性用風俗利用日記

本気じゃない恋〈前編〉

Hさんと別れて約2年(*Hさんとの物語は、「過去の恋愛」カテゴリー内「愛している。だから別れる」に掲載)。その間、周りの友達からは「元彼を忘れるには、新しい恋をするのが一番だよ」と散々言われてきました。でも全くその気になれず、休日出勤を志願するほど仕事に没頭。そんなある日、友達の友達から「お花見会」に誘われました。「私お酒飲めないし、花粉症だからこの時期外に出るのキツイんだよね。せっかくだけど遠慮しとくよ」と断ったのですが、どうやら私を心配した友達が裏で手を引き(笑)、出会いの場をセッティングしてくれたのでは?という情報が入ってきました。だとしたら、その気持ちと労力を無駄にするのは申し訳ない。一転、お花見に参加することとなりました。

 

会場に着くと、友達の友達以外は全員知らない方。男女5~6名ずつ、年齢は20代前半から30代後半くらいだったでしょうか。場所取りのために早く来てくれていたのか、既に酔っている方も数名います。自己紹介と、仕事や趣味のことなど当たり障りのない話をした後、私はレジャーシートの端のほうでひたすらお茶を飲みやり過ごすことに。参加者達はどんどんお酒が回り、大声で喋り、下品な話題も口にし始めている…。接待の場なら「仕事のうち」と割り切れるのですが、プライベートではこういう宴席は極力避けたい。友達の顔をつぶさない程度に滞在したら、「頃合いを見て帰ろう」と思っていました。

 

その時、「遅れてごめん」という声が。振り向くと、麻素材のセットアップに、ペラッペラのサンダルを履いた男性が一人。「イスラエル」と書かれた「地球の歩き方」(ガイドブック/ダイヤモンド社刊)以外、荷物は何も持っていません。しかも「誰の知り合い?」と尋ねられて答えた名の人物が、あろうことかこの場にいない。一通り自己紹介も終わっているし、酔っ払っている人が大半だしということで、彼の紹介はうやむやになりました。シートの端に座っていた私は、突っ立ったままの彼との距離が、その場にいる誰よりも近い。必然的に、「奥がソフトドリンク、手前がお酒ですよ」とクーラーボックスを指差し伝える結果に。すると彼は「どうもありがとう!」と口角を上げ、外国人のようなスマイル(歯並び完璧、ホワイトニングも完璧)。ハイボールを手に戻ってきて、私の隣に座りました。それがEさんとの出会いです。

 

なお、Eさんの基礎データは〔173㎝・82㎏、ゴリマッチョ、趣味筋トレ&英会話、フレンドリー、自由人、旅好き、甘えたがり、人前でもイチャイチャしたがる、唇が厚い、キスが上手い、一人っ子、東京都出身/夜の生活=M〕という感じ。

 

互いに簡単な自己紹介をして、彼が「25歳・留学先から帰国したばかり・就活中」ということが分かりました。私はこの時32歳で彼とは7歳差があったので、恋愛対象には入らないだろうと推測。それより何より、どうして「地球の歩き方」だけを持っているのかが気になって仕方ない。訊けば、「明日から行くんだ。イスラエルに2週間。一応読んどこうかと思って、さっき駅前の本屋で買った。それで遅れちゃったんだ」との返事。私も割と旅慣れているほうですが、明日イスラエルへ発つのに今ガイドブックを買い、しかも荷造りも未完成の状態で「お花見会」に参加する勇気はありません。面白い人だなぁと思いました。

 

それから約1時間、今まで行った国のことや、現在一緒に住んでいるルームメイト(外国人)のこと等を、身振り手振りを交え&表情をくるくる変えながら話してくれました。私も楽しかったけど、彼も相当楽しそう。すると突然顔を寄せてきて、「2人で抜けちゃわない?」といたずらっぽい笑み。どうせ途中で帰ろうと思っていたし、「いいよ。でもファミレス一択ね」と返しました。もし変な期待を持っていたら困るし、かなりの肉体(ゴリマッチョ)だったので、密室や暗いお店は避けたほうが無難です。彼はお酒も飲んでいましたから、やはり最低限の用心はしないと怖い。

 

ファミレスでは、彼が聞き役です。私はEさんと同じく旅行が好きなこと、旅先では一眼レフで写真をたくさん撮ること等を話しました。お花見当日も、桜の写真を撮るべくコンパクトデジカメを持っていたので、「これでも十分きれいに撮れるんだ」とカメラを見せながら説明。すると「じゃあそのカメラ、2週間貸してくれない? 僕カメラ持ってなくて」と言うではありませんか。う~ん、今日初めて会った人に、明日から2週間カメラを貸す…。それほど高価なものじゃないとはいえ、私にとっては大事なカメラコレクションの一つです。悩んだけれど、「イスラエルの景色、いっぱい撮ってくるよ! まだ行ったことないでしょ?」という言葉とキラキラの笑顔に促されてOKを出してしまいました。

 

翌日。カメラと充電器を持って向かった先は、浜松町駅。浜松町は空港行きモノレールの乗換駅なので、そこでカメラを渡す手筈です。「万一手元に戻ってこなかったから、このカメラは潔く彼にあげてしまうしかない」とうっすら覚悟(笑)。

 

JRからモノレールに乗り換える、改札前スペースで待ち合わせ。多くの人が行き交っていたけれど、すぐにEさんを発見出来ました。さすがにサンダル姿ではありませんでしたが、2週間の旅に出るとは思えない軽装です。やっぱりこの人面白いなぁと思いつつ、カメラを手渡しました。「気をつけて行ってきてね。写真、楽しみにしてる」「うん、ありがとう。帰ってきたら一緒に見よう。じゃあ行ってきます」。

 

「行ってらっしゃい」と右手を振る私。その右手を握り、私をハグする彼。あぁ、留学帰りだから、友達への挨拶もそういう感じなのですね~と思い、彼の背中に手を回してポンポン。ハグを解除し再度手を振る体勢になったところで、事件発生。

 

ハグが解除され、目が合ったと思ったら、グッと引き寄せられて突然の熱いキス。いや待て、ちょっと待て!と慌てふためくも、私の腰と頭をマッチョな腕ががっちりホールドしていて1ミリも動けません。しかも軽いキスではない(思いきり舌が入っている)。ものすごく驚いたものの、あまりに上手い&気持ちいいので、恥ずかしながら中盤からは私も応じてしまう感じに…(笑)。長いキスがやっと終わり、目を開くと「じゃあ行ってくるね♡」と彼。いや待て、ちょっと待て再び。「あの、今のはどういう…?」「え? だって僕たち付き合うんでしょ? 昨日フリーだって言ってたじゃん♪ じゃあ行くね」。

 

「えぇぇぇぇ‼ 私たち付き合うの⁉ ねぇそれいつ決まったの???」。

 

びっくりし過ぎて心の声が出ず、身体全体がフリーズしている間に彼は改札の向こう側。既にエスカレーターに乗り、満面の笑みでブンブン手を振っています。「何が何だかさっぱり分からないけど、2週間後に帰ってくるし、まぁその時訊けばいいか…」。

 

  ー 後編へつづくー