女風は、用法・用量を守って正しく利用いたしましょう。

既婚ユーザー・ネギブロコの女性用風俗利用日記+日常譚

深い仲、浅い仲

皆さんのスマホには、見知らぬ人からのLINEって届きますか? 私のもとには時折届きます。そして、面白そうだったり勉強になりそうだったりしたら、しばらくやり取りしてみたりもする…いえ、正確には「してみたことも結構ある」と言うべきでしょうか。


「勉強になりそう」というのは、例えば他言語の方。相手が英語か台湾語か北京語のネイティブだった場合、「いざ実戦!(無料で・笑)」と思いしばし会話を楽しんでみたりする。実際に会って喋るなら、仮にきちんと聞き取れていなくとも、相手の表情やリアクションを見て内容を予想することが可能です。ところが“文字だけ”となると、あちらはネイティブなので猛スピード、こちらはものすごく考えながら打つため割と遅い。ゆえに「レスが来る前に返さなきゃ‼︎」と気持ち的に追い込まれて、ほどよい緊張感で勉強することが出来るのです。そして面倒くさい匂いを感じたら(例えば「会いたい」とか「顔が見たい」とか言い出したら)ブロックすればいい。かなり気楽だし、万一内容を晒されたとしても“かりそめ”…つまり真実はほぼ書いていないので別に問題はありません。相手だって、嘘をついている可能性も高いですからね。


今は違うけれど、記者をしている間はLINEのアイコンを自分の写真にしていました。LINEで連絡を取り合っていた自分の担当歌手から、「誰だか分かんなくなっちゃうから(←登録人数が尋常じゃなく多いため)、出来ればアイコンを変えてほしい」と言われたことがきっかけです。それまでは旅先で撮った風景等あたりさわりのない写真にしていたのですが、「なるほどそうか〜」と思い、私と面識のある人なら分かる“特徴”が写り込んだ、でも顔は判別出来ない写真に変更。それは他の歌手や事務所の方、クライアントさんからも「一発で分かってありがたい」と大変好評でした。皆さん、思ってたけど言えないだけだったんですね。気を使わせてすみません(汗)。


そして、写真を変えてからというもの、見知らぬ人(男性)からのLINEが増えました。顔は分からないし、服も長袖&パンツスタイルでほとんど肌も露出していないのに不思議ですよね。以前、「大勢の人が歩いていても、なぜか狙いを定められて駅や路上でしょっちゅう道を訊かれる。多分話しかけやすいタイプなのだと思う」と書きましたが、引きの写真であっても「話しかけてオッケーっぽい人」という雰囲気が出てしまっているのかもしれません。そのあたりは全くもって謎です。


突然LINEしてくる割合としては外国人率が高いけれど、30%くらいは日本人。日本人の場合、若い方(自己申告なので本当の年齢は不明・笑)が多い印象でした。何か、男性って単純というか「カワイイな」と毎度思ってしまいます。小さな写真1枚から、勝手にいろんな想像や妄想を膨らませて、文字で少し会話しただけで「I love you」だの「好きになっちゃった」だの。私が男かもしれない・だいぶ年上かもしれない・彼氏持ちかもしれない・美人局(笑)かもしれない等々、そういう想定をしている人はあまりいなかった。明るいというかプラス思考というか、キライじゃないですよ、そういう考え方♡   そのほうが、毎日の“ワクワク度”や“幸福度”が高い気がしますのでね、ハイ。


ちなみに、やり取りした中で最長だったのは約1ヶ月半。相手は自称・インドネシア人の28歳、エンジニアでした。毎晩のように甘〜い文章(英語)を送ってくれる人で、それはそれは楽しかったです。私自身バリが大好きだし、何度か旅したこともある。ちょいちょい挟まる「現地の情報」も間違っていなかったので、すぐに親近感を覚えました。


彼の趣味(もしくは“設定”としての趣味)はサーフィン。そのため、よく海やボードの写真を添付してくれました。「美しいサンセット」という一文と、波の音&沈む夕陽だけが映った動画は最高の癒やしだったなぁ。本人のものではないでしょうが、顔写真や全身写真が送られてくることも。いかにもサーフィンしてそうな、褐色の肌と引き締まったボディーでした。「コレ、どこから拾ってきた画像なんだろう?」と思いながらも、目の保養になるし、どうせ“かりそめ”だし(笑)、悪い気は全くしなかったです。けれどある日、自撮りしたであろう動画を開いてしまい即ブロック。「君を思いながら」と、自分でしている映像でした。あれは有無を言わせず現実に引き戻された感じがして、一気に冷めましたねぇ。好きでもない人…というか、見知らぬ人の秘部(しかもすごく鮮明・笑)を直視したのは初めてでしたが、やはり気分のいいものではなかった。


それ以来、「知らない人からのLINEに応じちゃダメ」と“自分ルール”を制定。親友にその話をしたところ、「っていうかルール決めるの遅くない? そもそも何で知らない人とLINEしようと思うわけ?笑 ◯◯(←私の名前)が好奇心旺盛なのはよ〜く知ってるけどさ、そこはどう考えても無視一択でしょ」と返されて、ぐうの音も出ませんでした(笑)。


余談ですが、記者になりたての頃びっくりしたことの一つに「歌手や俳優は、関係者の前でごく自然に着替える」事実が挙げられます(※全員が全員というわけじゃないですよ、念のため)。常に時間がなかったり、“衣装はスタイリストに着せてもらうもの”という意識の方も多かったりするので、慣れればどうってことないけれど、最初は驚きました。ある歌手に、取材のアポを取って楽屋へ伺ったら「どうぞ〜」と笑顔で迎え入れてくれたのですが、その方の格好は何と!パンツ一丁。「今リハ終わったとこだから暑くて。写真撮らないなら(=インタビューのみなら)このままでいいよね?」と言われ、「はい、もちろん♪」とニッコリするほかありませんでした(笑)。彼以外にも男性、女性ともにガンガン着替える方が多く、やがて私も一切動揺しない体質に。ダンスグループのメンバーやミュージカル俳優の場合、パンツすら履いていないこともあったので(←大量に汗をかくため下着ごと着替える)、たとえ全裸、或いは裸にバスローブで諸々チラ見えしつつ迎えられても「おはようございます、本日はよろしくお願い致します」と普通に挨拶していました。恥じらいゼロの世界です(笑)。


一方、我が夫の秘部は…いや、秘部どころじゃないな。上半身裸でさえ見たことがないし、私も見せたことがありません。夫婦だけれど、このまま一生見せ合わない可能性も大いにあります。


長年担当していた歌手・俳優の中には、体も心も“裸に近い状態”を見てきた人もそこそこいます。そう考えると、「人間関係ってつくづく面白いなぁ」と思いますね。裸を見ているから“深い仲”とは限らないし、見ていないから“浅い仲”というわけでもない。女風もそうです。とんでもなく卑猥なことをしたり言ったりするのに、関係性としては決して深くない。「なら浅いのか?」と問われたら、それも違うような気がする。


一つ言えるのは、深かろうと浅かろうと「お互いの人生に関わった」という事実に何ら変わりはないということ。こんなご時世ですが、私はこれからも、可能な限り多くの人と関わり合いながら生きていきたいです。何らかの影響を与え、そして与えられて生きていきたい。当分旅に出られなくても、友達とワイワイ食事を楽しめなくても、女風を利用出来なくても、健康であればそれで十分です。


明日の東京は「快晴」との天気予報。洗濯機、いっぱい回そうかな。皆さま、オヤスミナサイ。どうぞ良き夢を──。