女風は、用法・用量を守って正しく利用いたしましょう。

既婚ユーザー・ネギブロコの女性用風俗利用日記+日常譚

さよなら、2020年

いろいろな意味で濃密だった2020年が、もうすぐ終わろうとしています。新しい年になったからといって、ウイルスが消滅するわけでも、何かが劇的に変わるわけでもありません。されど、気持ちの切り替えをしたり、自分自身と向き合ったりするには大変よい機会かと思います。私は基本、仕事を除くとだらしないといいますか、普段かなり適当に過ごしておりますゆえ(汗)、こういうきっかけはありがたいです。


さて、今年を振り返ると、私の中で「一番大きかった」と思う出来事は、やはり仕事を辞めたことです。9月下旬、16年間勤めた出版社に退職届を出し、天職の一つである「記者」でなくなる道を選びました。あれから約3ヶ月経ちますが、後悔したことはなく、むしろ「良いタイミングだったなぁ」と感じています。以前にも書いた通り、元々ざっくり20年スパンで人生設計をしていたため(20歳前後まで→勉強する&将来の方向性を固める、40歳前後まで→めちゃくちゃ働く&たくさん旅する、60歳前後まで→少しペースダウンして働く&私生活を充実させる)、30代後半での結婚・転職は妥当というか、想定内といえば想定内です。もちろん、結婚相手と一度も性行為がないのは予想外だったけれど、そこから学んだことも多いし、今は「ウチはそういう夫婦なんだ」と割り切っている面もあります。女風の利用を始めてから約1年、“セックスについての考え方”もだいぶ変わりました。この件は長くなりそうなので(笑)、後日にでも改めて。


そして、世界的に見れば当然、「2020年=新型コロナウイルス」でしょう。このウイルスは、病気そのものだけでなく、他の様々な事柄や問題をもあぶり出したような気がします。貧富の差、性差、DVや児童虐待、報道のあり方、政治家のあり方、追い込まれた時に出る人間性、“民意”の恐ろしさ、自殺者の増加等々、数え上げたらキリがない。でも、同じくらい多くの“善意”や、あらゆる分野における創意工夫、技術の進歩等もあったと思います。これ以上ないくらいの逆境に身を置かれても、驚くほどめげずに「何とかしよう」「どうにかして乗り越えよう」とする人々がいる。「病院のお世話にならないように、出来るだけ家にいよう」「怖いけど店頭に立とう」とする人々がいる。その一方で、マスクなしで話したり、お酒を飲んで騒いだり、店員さんにひどい態度を取ったりする人もいる。分かってはいたけれど、「世の中にはいろんな人がいるんだ」と強く認識しましたし、「私は私に出来ることをやっていこう」と思いました。


出来ることと言っても、極力家にいるとか、スーパーには一人で行くとか、配信ライブにお金を落とすとか、その程度です。でも、その“小さな積み重ね”が大事だとも感じています。人間は良くも悪くも慣れてしまう生き物なので、きちんと意識していないと諸々油断しがち。手を洗う、うがいをする、除菌をする。再度基本に立ち返り、経済は回せど自分は動き回らない。そんな当たり前のことを、当たり前に出来る人間でありたいなぁと思います。


ところで。私は熱心なフィギュアスケートファンではありませんが、先日テレビ中継されていた「全日本選手権」(男子)を2日間とも食い入るように観ました。観たというより、“画面に吸い込まれて動けなかった”というほうが近いけれど、羽生結弦選手があまりに神々しくて力強くて頼もしくて美しくて、涙と拍手しか出なかった。ショートもフリーも、本当に本当に素晴らしかった。心底感動したし、パワーをもらいました。あのプログラムをコーチなしで創り上げて、練習も一人で積んできたなんて…。すごいとしか言いようがありません。プラス、私自身は彼の弱音(「精神的にどん底の時期もあった」とか「もう疲れた、辞めてしまおうかとも思った」とか)を初めて聞いたので、驚いたと同時にホッとしました。「羽生選手も神じゃなく人間なんだ」「弱いところも見せられる人なんだな」と。


羽生選手に限ったことではなく、私は“完璧すぎる人”を見ると心配になるというか、「ちゃんと隙を見せられる相手はいるの? 無理してない?」と余計なおせっかいを焼きたくなります。人間はそんなに強くない…というより、弱音を吐こうが泣き言を言おうが「弱い」とは思わないし、百歩譲って弱いとして、それのどこがいけないんだ?と思います。誰だって、強い部分と弱い部分の両方を持っているのに、その片方しか表に出さない(もしくは出せない)人を見ると、何とも言えず心配になる。だから、羽生選手のコメントを聞いてすごく安心したのです。そして、演技中の鬼気迫る表情と、キス&クライでの弾ける笑顔。そのギャップに、今さらながら心を鷲掴みにされました。ギャップがあるのは当然といえば当然ですよね。彼は優れたアスリートであり、表現者ですが、同時に26歳の青年でもあるのだから。


羽生選手は「その時だけでも、自分の演技が終わった後の1秒だけでもいいから、観ている人の活力に少しでもなったらいいなと思いました」と語っていましたが、なんのなんの。何日経っても、多分何年経っても、あの数分間が脳裏から消え去ることはないと思います。いつでも思い出して、パワーをもらえるような演技でした。技術の高さはもちろん、何というか…魂ごと伝わってきた。フィギュアスケートを観て、あんなに涙がポロポロ出て、どうしようもなく心が震えて、翌日のフリー演技を心待ちにした経験は初めてでした。本当に素晴らしかったです。感動とパワーをありがとうございました!


最後になりましたが、皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。私も家でゴロゴロして、年越し蕎麦を食べて、のんびり過ごしたいと思います。


2021年も、何卒宜しくお願い申し上げます。当ブログは変わらず、つまり緩やかに&何の決まりも設けず(笑)更新していく予定です。来年は、少しでも明るい年となりますように。