女風は、用法・用量を守って正しく利用いたしましょう。

既婚ユーザー・ネギブロコの女性用風俗利用日記+日常譚

「改姓」という名の地獄

プライベートでは例年、20人前後の友人・知人と年賀状をやり取りしています。今年頂いた私用の年賀状は計18通でしたが、昨年までと明らかに違うことがありました。18人中17人が、私の宛名(苗字)を新姓で記していたのです。彼らには、20代の頃から「私自身は結婚願望ないけど、早く夫婦別姓制度が確立すればいいのにと思う」という話をしていたし、結婚した時も「旧姓のままなのでヨロシクです♪」と伝えてあったにも関わらず、です。


「いくら変更がないからって、配偶者の名前を知らせないのはちょっと失礼かなぁ」と思い、2019年度末に投函した年賀状に夫のフルネームを明記しました。「2ヶ月前、◯◯◯◯さんという方と結婚しました」的な感じで。今思えば、書かないほうが良かったんですけどもね…(笑)。


女性も男性も、無意識のうちに“結婚したら妻が夫の姓に変えるもの”と思い込んでしまっているのかもしれません。だから、そのすぐ横に「結婚しても旧姓のままです」と書いてあっても、「一応お知らせをば」と思って添えただけの夫の苗字の印象が勝り、翌年わざわざ宛名を変えた年賀状を送ってくる。そんなに親しくない相手ならまだ分かるけれど、みんなある程度長い付き合いの人達です。自分としては、これまで十分過ぎるほどアピールしてきたつもりだったのに、旧姓のまま送ってくれたのは1人だけ。こりゃあなかなか手強いというか、長い道のりになりそうだなと感じました。


ただ、良かったこともあります。それは「改姓はすこぶる不快」という点と、「この名前(新姓+下の名前)、やっぱり私のものじゃない」という点が改めてはっきりしたことです。これまでは、新姓で呼ばれるのは銀行や病院、役所等限られた場所だけでした。でも、年賀状で身近な人に(文字上ですが)新姓+下の名前を“私のフルネーム”として呼ばれてみて、「心底イヤだ」と感じることがよく分かった。“今日までの私”を勝手に消されたような、なかったことにされたような気がして悲しかったし、夫婦のどちらか(現状9割以上は女性)が我慢しなくちゃいけない状態ってやっぱりおかしい、と痛感。


伴って、転職先を探す際の指針が明確になりました。職種や仕事内容、給与、福利厚生等に加え、“旧姓使用が可能かどうか”。「私は、そこに重きを置いて転職活動していこう!」という決意を固めました。


職場で名前を呼ばれないことはまずないですし、その前に新姓での名刺など持ちたくない。「これは自分のものじゃない」と感じている名前が刷られたものを手渡しながら、「◯◯(新姓)と申します、宜しくお願い致します」と挨拶しなければいけないなんて…。気にしない人にとっては何でもないことでしょうが、私にとってはまさしく地獄です。しかも、夫の姓はクラスや部署に必ず一人はいる苗字。実際、夫の勤務先にも数名在籍しています。夫は中途入社なのですが、仮に“佐藤”とすると、同じフロアに既に2名いらした。呼び方はそれぞれ「佐藤さん」と「佐藤◯(下の名前の一文字)さん」。フロア内で相談した結果、夫は「◯◯さん」と下の名前オンリーで呼ばれることになったそう。上司からも新入社員からも、今では各クライアントからも(笑)。


転職先の規模にもよりますが、もしある程度人数がいる会社だったら、私もそうなる可能性は大いにあります。クライアントだけなら「まぁ仕方ないか」と割り切れるけれど、社内で全員から下の名前で呼ばれるのはだいぶ抵抗がある。通常、気の合わない人や、よく知らない人と下の名前で呼び合うことはないので、想像しただけで違和感アリアリ。夫は「子供の頃からそんな感じだし、僕は何とも思わないかな~」と言っていましたが、なるほど確かに慣れの問題もあるでしょう。でも、私の旧姓はそこそこ珍しい氏なので、それこそ小さい時から苗字をもじったニックネームがほとんどだった。社会人になっても苗字で得をしてきたといいますか、“ほぼ一発で覚えて頂ける”という大変ありがたい利点があるのです。元々夫婦別姓を熱望していたことにプラスして、そういった諸々の要素も絡み合い、改姓はやっぱり、どうあがいても不快。そして苦痛です。


そのあたりは担当エージェントさんとよくよく話を詰めなくちゃ、と思いますが、転職自体は別に急ぐ必要もないので(本日緊急事態宣言も発令されたことですし)、しばらく静観かなと考えています。


この先日本が…というより、地球規模でどうなっていくのか見当もつかないけれど、ここまで感染が拡がっている以上、もうなるようにしかならないと思うので、流れのままに生きていくつもりです。最悪、お米・梅干し・海苔があれば何とかなる(笑)!