女風は、用法・用量を守って正しく利用いたしましょう。

既婚ユーザー・ネギブロコの女性用風俗利用日記+日常譚

女性の性欲 〜其ノ四

KTさんとの一件後、「彼とはこれからも仕事現場で顔を合わせざるを得ないわけだから、少しでも早く吹っ切らなければ!」と決意。諸先輩方に全面協力して頂いた結果、ラッキーなことに割とすぐ現夫と出会えました。…が、夫と出会ったことにより、私は生まれて初めての悩みに直面します。その名はセックスレス。いや、正確には“パートナーと一度も性行為がない人生”の始まりと言うべきか(笑)。


知り合ってから4ヶ月後、「実は、今は性行為が出来ないんだ」と現夫に告げられました。その時は軽く捉えてしまい、「ずっとってわけじゃないだろうし別にいっか」くらいに考えていた。ところが、共に旅をしても、双方の家族に「結婚します」と挨拶を済ませても、体の関係は本当に一切ナシ。お風呂にも一緒に入らないので、肌を見せ合う機会すらない。いざ“そういう状態”を経験してみて、「甘かった。これはだいぶ辛いな…」と痛感。KTさんの「君だってセックス、好きでしょ?」という言葉が脳裏に焼き付いていたこともあり、レスが続けば続くほど“セックス”に思いを巡らせてしまうといいましょうか、意識がググッとそちらへ向いてしまうんですよね。


ある日、「ッダァァァ〜‼︎    たまらなくセックスがしたい! 誰かと求め合いたい、抱き合いたい! 男性の筋肉ボディーを、浮き出た血管を、たくましい腕を、心ゆくまで堪能したいぃぃ〜!」と私の魂が叫んだような気がしました。


そんなこと、30代前半までは感じたことがありませんでした。彼氏がいない時期が最長で約2年ありましたが、その時も「嗚呼、セックスしたいなぁ」などとは思わなかった。毎月生理前はムラムラするけれど、そんなものはセルフ(愛しの我が右手♡)で十分解消できます。それに何が辛いって、“そこそこ好きなタイプの男性”(←夫のことでございます・笑)と付き合っているにも関わらず、性的な触れ合いがほとんどないというのは、これまでに一度も味わったことのない…表現が難しいけれど、ある種拷問のような感じかと思います。近くにいるのに触れない、触ってもらえない。これは、想像していたよりずっとキツイです。


そこで、夫と入籍する2ヶ月ほど前から、“女風”について本腰を入れて調査を開始。これには二つ理由があります。一つは、記者仲間からの情報で「女性向けの風俗がある」ことを事前に知っていたから。もう一つは、他でもないKTさんの存在です。


KTさんは、私のことを「恋愛対象ではないものの、セックスはしてみたいと思った。あと、友人&担当記者としては好きだし信頼している」的なことを言っていました。そして、情事の後「すごく気持ちよかった! 君の体、◯◯と◯◯(←彼独自のフェチパーツ)が特に魅力的だったなぁ♪」とも。他にもいろいろ話しましたが、それはそれは嬉しそうに詳し〜く振り返るし、そもそも9時間(‼︎)営み続けたわけだから、あの一夜には概ね満足しているのだと思います。つまり、“恋愛対象じゃない人”が相手であっても、ある程度(欲望やら温もりやらが)満たされるセックスは可能なんだと受け取りました。当初「あくまで“彼の場合”はね」と思い込んでいた部分もありましたが、やがて「私にだって当てはまる可能性はある。好きでもない人とセックスしたことないけど、何事も試してみなくちゃ分からないよなぁ」と考えを改めた次第です。


とは言え、初対面の男性と密室に入る怖さ・不安はものすご〜くあったため、調査開始から“女風ユーザー”になるまでは約3ヶ月かかりました。そして1人目のセラピストさんは見事に大失敗…(笑)。けれど2人目からは、めくるめく体験や、大変気持ちのよい思いをさせてもらい、「別に“好きな人”じゃなくても、タイプだったり気が合う人だったらセックスは出来る(※女風は本番禁止です、念のため)」としみじみ実感。KTさんは正しかった…というか、私にも「してみたい」と思った人と実際にしてみる、という選択肢が加わったのでありました。


そして、相手がプロだからか、はたまた“好きな人”ではないからなのか分かりませんが、プレイ中、かなり大胆・正直・貪欲になれるんですよね。歴代の彼氏とはしたことのない行為をしたり、言葉を口にしたり出来るし、セラピストさんの意外な提案にも「まぁ乗ってみるか〜」と思えるというか、それほど抵抗なく受け入れられます(もちろん、好きなタイプのセラピストさんに限ります)。これまでは、恋人以外の異性と関係を持つ人の気持ちが理解出来なかったけれど、「絶対にナシ!ってことでもないかな」と感じました。本命とは別物といいましょうか、デザートは別腹といいましょうか(笑)、「それはそれ、これはこれ」という具合に、案外器用に立ち回れるんじゃないか?と。加えて、男性が女性の“秘密”や“嘘”に気付ける確率は逆より相当低いと思うので、バレずに墓場まで持っていくことはさして難しくない。だったら、お互いのためにも利用しない手はありません。


夫とのセックスがないことで、メンタル的にもフィジカル的にも崩壊寸前だった私。「妻に申し訳ない」と思いながらも、どうしたらセックスが出来るようになるのか分からない夫(と医者)。


その解決策として、女風は私にぴったりでした。人見知りしないし、“かりそめの言葉”や色恋営業にも耐性があるし、好奇心も旺盛。コロナがもう少し落ち着くまでは利用を再開出来ないけれど、心底「結婚したのが“女風というサービス”が存在する時代で良かった、本当に助かった」と思っています。


これは今だから言えることかもしれませんが、ある意味、夫にも感謝しています。夫と普通にセックス出来ていたら、セラピストさんとあんなことやこんなことをする必要はなかったわけで、夫のおかげと言えばおかげ。そして、私の“性の扉”をバーン!と豪快に開けてくれたKTさんにも、この場を借りて「ありがとう」と伝えたい。


仮に、今がKTさんと気軽に会える状況だったら、たっぷり女風の話をすると思います。このブログ以外では、自分が“女風ユーザー”だという事実を誰にも明かしていないけれど、彼になら隠さず打ち明けられる。確実に興味を持って聴いてくれるだろうなぁ、「エロいこと考えられなくなったら、その時点で終わりだと思ってる」って言い切ってたもんなぁ(男前の顔で・笑)。確かに、人間の三大欲求は食欲・睡眠欲・性欲ですから、“性”について考えられなくなったら終わりというのは一理あるかもしれません。


いずれにせよ、この“開放”は、私にとって非常に大きな意味を持つと思います。今もですが、将来的にはさらに。


想い合っている人とのセックスは当然、気持ちいいし幸せだし、心も体も満たされます。でも、そうじゃない人との(疑似)セックスも、気持ちよくて幸せで満たされる──場合もある。それを知れたことは、本当に本当に良い経験でした。分かってはいたけれど、未知の体験や気持ちって、其処彼処に転がってるんですよね。世の中には私の知らないこと、まだまだたくさんあるんだろうなぁ。生涯を終えるまでに、あとどれくらい知れるのかな。出来るだけ多く知りたいけど、私の寿命で足りるかしら…(汗)。