女風は、用法・用量を守って正しく利用いたしましょう。

既婚ユーザー・ネギブロコの女性用風俗利用日記+日常譚

子を宿さずとも

週末、義兄家族とリモート飲み会ならぬ“リモートお茶会”をしました。コロナの影響で、夫のご両親のお墓参り(お二方とも既に他界)も出来なかったから久しく会っていないし、「たまには顔を見ながら喋りませんか?」とお誘い頂いたのです。夫は「気が進まなければ、兄貴に断りの連絡入れるよ」と言ってくれましたが、私は生まれてから人見知りというものをしたことがありません(笑)。誰かと話すのも好き&特に予定もなかったので、「全然いいよ〜」と快諾。むしろ夫のほうが「それってどれくらいの時間やるのかなぁ。会話、もつかなぁ…」と心配していました。


結論から言いますと、お茶会タイムは1時間、会話はそこそこもちました。義兄夫婦には息子さんがいるのですが、彼がちょうど仮面ライダーにハマるお年頃。我が夫は長年仮面ライダーフリークで、アラフォーとなった今も、毎週リアタイ視聴をするほどのライダー好き。義兄がライダーやら戦隊モノやらに興味がない上、今は状況的にお友達とライダーごっこ等が出来ないため、甥っ子は“ライダーについて熱く語る時間”が不足している模様。よって、前半30分は甥っ子が夫に自慢の品を見せたり、変身ポーズを取りまくったりして、他3人はその様子をニコニコ眺めるという展開でした。


後半、甥っ子がライダートークにも飽き(笑)、興味の対象がお茶菓子へと移ってからは大人の時間です。それぞれの仕事や業績(お義兄さんの職種は、コロナの影響をもろに受けていてかなり苦しい業界)について報告し合いました。私は転職先が決まり、お義姉さんは「新たに勉強したいことがある。4月から学校へ通う予定」とのことで、長年勤めた職場を辞めたそう。お義兄さんが「女性陣はすごい。変化を恐れずどんどん行動する」と言っていたけれど、私もお義姉さんの話を聞いて刺激をたくさんもらいました。今から学校へ通うとは頼もしい! そして、「勉強したいことがある」というのは大変素晴らしいことだと思います。初めて会った瞬間から「めっちゃしっかりしてる方だなぁ」と感じていたけれど、想像以上のしっかり具合でした。家事も仕事も完璧で、人あたりもよくて、今のところマイナス点がどこにも見当たらない。


ただ、彼女も人間です。当然、しんどい時や逃げ出したい時だってあると思う。そんな時は、友人はもちろん、私のことも頼ってほしいなと思います。これは私の妹にも当てはまりますが、「少し頑張り過ぎなのでは? 無理してない?」と感じることがあるのです。仕事もして、家のこともして、女性としての美しさも保って、子供のみならず夫の面倒まで見て…と、毎日これでもかと頑張っている。よく倒れないなぁ、発狂しないなぁと感心します。


私は「自分の子供が欲しい」と願ったことはないけれど、子供自体は結構好きです。友達の子供と遊んだり、少しの間預かったりすることにも抵抗がありません。だから、疲れてどうしようもない時は「ちょっと見ててほしい」とか「電話で相手してあげてほしい」とかもウェルカム。親にとっても子供にとっても、それは良いことだと考えています。


自分の経験から言っても、子供にとっての“世界”は想像以上に狭いというか、小さい頃は家庭が全て。良くも悪くも、あらゆる事柄において“生まれ育った家庭”を基準に考えてしまいがちです。よって、他の世界=別の家庭を見ることは非常に大切で、必要なことだと思うのです。あとは、いろんな種類の大人がいて、いろんな考え方や生き方があるんだ、という事実を早いうちに知っておいたほうが楽だと思う。


私の知る限り、どちらの家庭も、基本的には奥さんが家事をしています。妹は週3日のパート&短い時間だけれど、義姉は退職するまでずーっとフルタイム勤務。にも関わらず、義兄は「ほとんど家事をしない」そう。甥っ子には“それが当たり前”だと思ってほしくないし、自分のことは自分で出来る人になったほうが、将来的に諸々プラスだと思うんですよね。妹のところは女の子ですが、彼女にも「結婚したら、旦那さん=稼いでくる、私=家のことをする」と思い込んでほしくないなぁ。もちろん、好きでやるのは構わないけど、「女性だから」とか「男性だから」とか、「お母さんだから」とか「お父さんだから」とか、そういうのはナンセンスです。


近い将来、甥っ子や姪っ子がウチへ遊びに来たら、自分の家庭との違いにびっくりするかもしれません。私と夫は食事を各々取ることも多いし、休日だって基本は別行動。でも仲はよくて、関係としては至って良好です(セックス以外・笑)。他の人にもこのスタイルを推奨したいとかそういうことじゃなく、「こんな形もあるよ」「“夫婦”って割と自由だよ」的なことを、いずれ姪っ子たちにも伝えられたらいいなと思っています。もしも必要な時が来たら、ですけどね。


私は、子育てって“親だけがするもの”とは思っていません。身近な人や周りの人、時には初めて会った人や、すれ違っただけの人に育ててもらうこともあると思う。私自身がそうでした。救いようのない大人もいるけれど、素敵な大人、魅力的な大人、面白い大人、優しい大人も大勢います。私は残念ながら毒親のもとに生まれてしまいましたが、親以外の大人たちにたくさんたくさんお世話になったし、数え切れないほど助けてもらったおかげで今日があります。だから、もし助けを必要としていたり、「ただ話を聞いてほしい」という子供がいたら、喜んで寄り添いたいです。それが姪っ子でも甥っ子でも、友達の子でも見知らぬ子でも。


夫も似たような考えなのですが、男性だといろいろ配慮しなきゃいけないみたいですね。以前、2人で行ったショッピングモール内でシクシク泣いている女の子がいて、気付いた夫が思わず駆け寄ろうとしたそう。でも途中でピタリと停止し、近くの店で買い物中だった私に電話を掛けてきました。


「迷子っぽい女の子がいるから、悪いけど戻ってきてくれないかな」

「分かった〜。店員さんはいない感じ?」

「店員さんっていうか、他に誰もいない。中年男性と女児の組み合わせは、何となくマズイ気が…」

「あ、そうか! ダッシュで戻るね」

 

夫曰く、「たとえ親切心で近付いたとしても、2人きりのシチュエーションで中年男性+女児というのは誤解を招いたり親が心配したりするから、絶対に避ける。1人で泣いてて可哀想だけど、見守る以外ない。君が一緒にいる時で助かったよ」とのことでした。なるほどなぁ、それもなかなか大変だなぁ…。


「泣いている子供に声を掛けられない」というのは何やら寂しいような気もするけれど、“避けられるリスクは極力避けて生きていく”ことには大いに賛成。夫が危機回避能力のある人で良かったです、ハイ(笑)。