女風は、用法・用量を守って正しく利用いたしましょう。

既婚ユーザー・ネギブロコの女性用風俗利用日記+日常譚

勉強、勉強、また勉強

アラフォーにして、人生初の転職を致しました。新たな職場に勤め始めて約1ヶ月。率直に申し上げて──


めちゃくちゃ楽しいです~♡


私は前職(エンタメ系雑誌の記者)が心から好きだったし、「天職だ」と思い長年勤務していました。けれど同時に「第二、第三の天職もあるだろうな」とも感じていた。その“第二の天職”と、ありがたいことに出会えちゃった予感がしております!


私の新しい仕事は、印刷物の校正・校閲。対象は書籍や絵本、教科書、パンフレット、エンタメ作品のパッケージなど実にさまざま(昨今は映像作品の字幕やテロップの校正も多いです)。前職でも日常的に校正していたし、何を隠そう大得意で、校了間近になると「鬼の◯◯(←私の苗字)」の異名で恐れられたほど。相手が編集長であろうとクライアントであろうとバンバン朱を入れるし、時間がない中でもギリギリまで確認する&直すから「鬼」なんだそうです、ハイ(笑)。


さて。校正・校閲というのは、誤字脱字をはじめ、事実の確認、差別表現がないか、表記は統一されているか、整合性は取れているか、行頭禁則はないか、改行位置や字間は正しいか…等々、それはそれは膨大なチェック項目があります。相当な根気と集中力を要するため、出版界でも苦手とする人は少なくないけれど、私は昔から割と好きでした。「文字やフォント自体が好きで、そもそも強い興味と関心がある」「誤字脱字にすぐ気が付く」という私の特性も、大きく影響しているかもしれません。


例えば小説。後半の盛り上がってきたところで一つ誤字があると、それだけでガッカリ…というか興ざめして一気に現実世界へと引き戻されてしまう。例えば音楽誌。曲のタイトルや歌手名に誤りがあった場合、“それ以外の情報の正確性”にも疑いを持ち、全体の信用度が下がる。そして、記事を読んだ歌手本人をはじめ、彼らのファンも不快な気持ち、残念な気持ち、悲しい気持ちになってしまう。

私自身も学生時代、好きな歌手のライブレポートを心底楽しみに音楽雑誌を買った際、セットリスト(曲目表)に誤字が多くてショックを受けたことがあります。お金がない中、学生にとって決して安くはない値段の雑誌をワクワクしつつ買ったら、一番好きな曲のタイトルが間違っていた。その時はだいぶ悲しかったけれど、経験としては良かったです。いざ自分が“作る側”になった16年前、「読んでくれる人にああいう気持ちを味わせたくない」と思うことが出来たので。

よって私は、前職でも校正・校閲を重要視していました。物事には妥協していいポイントとそうでないポイントがありますから、たとえ「鬼」と言われようとも(笑)、そこは頑として譲らなかった。


ただ、転職先では前職の校正・校閲と決定的に異なる点があります。前職では、基本“自分たちが作っている雑誌”のみをチェックしていました。私をはじめとした記者数名・編集長・外部ライターが書いた記事、歌手本人または著名な作家さんの連載記事他、“概要を把握している状態”で校正するわけです。しかもジャンルは音楽やお芝居など、私の大好物ばかり。だから、どんなに文章量が多くても「一体何のこと言ってるの?」とか「本当にコレで合ってるのかな…」とかいうことは少なかった。

でも、今の職場で校正するのは“知らない人が書いた、且つコチラ側はそこまで知識を持ち合わせていない内容”がほとんどです。プラス、大抵著者のクセやこだわり(例/くださいor下さい、ビジュアルorヴィジュアル、故郷・古里・ふるさと・ふる里等)を知らされないので、校正しながら“己の感覚”で掴んでいく必要があります。かなりの記憶力、理解力も要求されます。


ですから、最初は「イヤとんでもなく大変なんですけど~(泣)!」と根を上げてしまいそうでした。未知の業界を描いた物語や、初めて観る映像作品の場合、まず“それ”について勉強しなくてはいけません。時に刑事、時に高校生、時に諜報員、時にアーティストと、ストーリーや舞台が変わる度にその世界の住人となり、一通り説明出来るくらいには知っておかないと、「校正」は出来ても「校閲」は難しい。想像以上に幅広い知識(もしくは知識を得る努力)と、あらゆる意味での“勘”が求められる仕事だと実感しています。


でも、1ヶ月働いてみて思うのは、「面白くて、やりがいがあって、誰かの役に立てる。何て素晴らしい仕事なんだろう!」ということ。

ミスを防ぐのはもちろん、「誤読させてしまう可能性もありますがOKですか?」とか「◯ページ目ではこう書いてあったので整合性取れてません」とか、「ちなみにこういう表現もあります」とか指摘・提案した結果、その媒体がより良くなったり、ユーザーさんに誤解を与えないで済んだりした時、何というか…じんわり嬉しいんですよね。

記者としていろんな記事を書いて、読者の方々が喜んでくれた時の“爆発的な嬉しさ”とはまた違うけれど、しみじみ「あぁ、ミスなく発行(発売)出来て良かったなぁ」とほっこりする。提案が採用されようとされまいと、正直それはどっちでもよくて(完全なる間違いは訂正してくれないと困りますが・笑)、“より良い作品づくり”に協力出来た喜びっていうんでしょうか。それはなかなか代え難いものがあります。調べものは多いし眼精疲労はヒドイし座りっぱなしで腰も痛いけど(笑)、毎日すごい充実感と達成感があるのも確かです。自分で言うのもアレですが、この仕事、もんのすご〜く私向きだと思う。


ただし、3ヶ月は試用期間です。会社が私を試す90日間であり、私が会社を試す90日間でもある。お互いを見極めるには、ちょうどよい期間設定かな~と思います。まだまだ教えてもらうこと、分からないことがたくさんあるけれど、現時点ではこの職場…というか「校正者」の仕事に大きな魅力を感じています。紹介してくれた転職エージェントさんに感謝です。どうもありがとう♪