女風は、用法・用量を守って正しく利用いたしましょう。

既婚ユーザー・ネギブロコの女性用風俗利用日記+日常譚

「何も、感じない」

日本という国は、近い将来なくなるかもしれないなぁ──。先日、あるドキュメンタリー番組を観ていてそう思いました。


ザッピング中にたまたま見かけて途中から視聴したため、番組タイトルなどは分からないけれど、内容からして恐らく単発ものだと予想します。出演者は、大学1年生(この春から2年生)の一般男女数名。出演といっても顔は一切映っておらず、彼ら自身がスマホのレンズを向けて撮影したであろう動画に、それぞれ“今思っていること、考えていること”を言葉で乗せた映像(声も本人)がそのまま流れる構成でした。余計なテロップや、プロによるナレーションがついていない映像は非常に生々しく、約1年に亘る彼らの怒りや憤り、悲しみ、不安、諦め、ささやかな喜びなど、“日々揺れ動く気持ち”がダイレクトに伝わってきた。気が付けば、右手にリモコンを持ったまま、お茶を飲むことさえ忘れて最後まで見入っていました。


各々主張は違いましたが、共通していたのは「なぜ若者ばかり」「なぜ大学生ばかり」というやるせなさです。『最初の緊急事態宣言(’20年春)の時は“みんなで一緒に”って感じがあったけど、以降もずっと我慢したり、悪者にされたりしてるのは若者。一部にフォーカスすれば、バカな若者も確かにいる。でもほとんどの学生は真面目に勉強してるし、極力家から出てない。なのに、大人は会食だの何だのやりたい放題。「自粛せよ」と言ったのはどの口だ? あんたらふざけてるのか? 入学式もなく、キャンパスライフも送れず1年間我慢し続けたのに、コロナは収まらないし大人は好き勝手にやってる。世の中クソだ』(要約)


彼らの言い分はもっともだ、と思いました。貴重な4年間のうち、既に1年を棒に振ってしまっている感覚が強いだろうし、「なぜ自分たちばっかり目の敵にされるのか?」という怒りや疑問を抱えて鬱々とする気持ちは痛いほど分かります。でも、怒っているうちはまだいい。エネルギーに満ち溢れているから。注視すべきはその先です。


ある女性は、「何も残らない1年だった。はじめのうちは怒りとか恨みとかがあったけど、一周まわって何も感じなくなりました。やる気とか頑張る気持ちとか、そういうのはもうない。適当に生きていければそれでいいです」と力なく呟いていました。ある男性は、「大学を撮っています」と実況しながら、自室のパソコン画面を撮影していました。彼にとっての「大学」とは、1年間オンライン授業を受け続けた“自分のパソコン”…。あの映像は、観ている私まで辛い気持ちになる、でも、“彼らの現実”をリアルに感じさせてくれる数秒間だった。そしてその男性は、「将来子供は欲しくない。可哀想だから」というようなことも言っていました。


私も生涯、子供をもうける気はないけれど、それは“自分自身が望まないから”に他なりません。でも彼の場合、「せっかく生まれたって、こんな世の中じゃあ気の毒だ」という視点で考えているように感じました。自分ではなく、生まれてくる子供の身を案じている。彼はきっと、心根が優しい人なのでしょう。「クソだ」という状態になっても、誰かのことを思いやれるのだから。


信じられる大人がいない国で、「頑張ろう」という気を持ち続けるのも、子を生み育てようと思うのも、夢や希望を抱くのも、だいぶ無理があります。老い先短い政治家の爺さん連中は、「自分たちが逃げ切れればそれでいい」と考えているかもしれないけれど、そのツケは必ず回ってくる。若者を大事にしない国に、繁栄や未来があるとは考えにくいです。あなた方のかわいい孫だって、あなた方のせいで苦しむことになり、やがて国ごと、それも猛スピードで滅んでいく可能性も大いにある。昨今の“お偉い方々”の様子を見ていると、むしろ「国を消失させたくて仕方ないんじゃないか?」とさえ思えてきます。まぁ、それもまた運命というか、最早どうでもいいというか、滅びるなら滅びてしまえばいい。


大学生の彼女がつぶやいていた、「一周まわって何も感じない」という言葉が、日を追うごとにじわじわ響いてきます。私は楽観的な性格だし、転職したばかりで気力や活力は十分にあるけれど、時折「何もかもどうにでもなれ。私の知ったことではない」という思考に陥ってしまいそうな瞬間があります。でも、それが悪いとは思いません。人間、誰しもガス抜きは必要だし、投げ出さなきゃやってられない時だって多々ある(特にこの1年は)。私には「不要不急の代表格」としか思えないオリンピックも、お偉いさん方は一向に中止を決定しません。本当、こんなんじゃやってられないです。


そんなわけで、このGWは“女風三昧”で過ごすことに決めました。気持ちよくなって&癒やされまくって、且つ微力ながら経済を回したいと思います。それではこれより、お気に入りセラピストさんとの待ち合わせ場所へ向かいま〜す♪