約束の時間は13時半。なのに、1時間経っても2時間経っても、まだ彼と会えない。やっと会えたのは、16時半を少し回った頃。「お待たせしてしまってすみません」「いえ、大丈夫です」。全然大丈夫じゃないのに、強がってしまう私──。
恋愛小説ならだいぶロマンチックな状況ですけれど、これは病院内での、何てことはないお話です。いや〜、私は完全に知識不足でした。大病院の外来って、随分前から予約していようとも、長時間待つことがザラにあるんですね…。こういう病院とは無縁の人生を送ってきたから、全く知らなかったなぁ。
というわけで、退院後の経過を診てもらうため、16日間お世話になった病院へ行ってきました。「患者の数も相当多いだろうし、多少は待つだろうな」と覚悟していたものの、3時間以上待たされる(笑)とは予想外。幸い体調が安定していたから耐えられましたが、これ、もし具合が悪い時だったら厳しかったかもしれません。大きな病院は、最新の設備も整っているし、医師や看護師、そして病床の数も十分だけれど、「働きながら通うのは無理っぽい」と感じました。仕事の合間を縫って通院するには、あまりにも時間が読めなさすぎます。周囲には、私以上に長い時間、ずーっと待ち続けている患者さんも大勢おられました。まぁ、どんなことも一長一短ですから、時と場合によって使い分けるしかないですね。
さて。肝心の診断ですが、「病気は8割方治っていると言って差し支えないでしょう」とのことでした。よ、よかったぁ(感涙)♪ 来月、少し大掛かりな検査(←気力と体力を要する検査のため「今すぐ実施するのは難しいです。1ヶ月後までにしっかり体力作りをしておいてください」とのお達しが…)をして、その検査で問題がなければ一応完治とみなされる模様。何種類か処方されていた薬も「もう服用しなくてOK」となり、「ここからは第二段階=日常生活を取り戻す。日常が取り戻せたら、第三段階=体力作りへ移行してください」との指示をもらったので、現在は仕事を休業して“日常を送る”ことを第一に考えています。完治するまで結構な時間が掛かりそうだから、「最悪の場合、退職もあり得るな」と思っていましたが、会社は大変心配してくれた上、深い理解を示してくれました。
「頑張ってリハビリに臨むつもりですが、果たしてどれくらい回復するかはやってみないと分かりません。それと、たとえ繁忙期でも、以前のような無理は出来ないと思います。やはり命が大事なので…」
「命が大事なのは当然です、よく分かります。会社としては、入院前と同じ仕事量がこなせなくても、ぜひ戻ってきてほしいと思っています。今は安静にして、完治したら復帰してください。社員一同待っています」
上記のように言ってくれたため、お言葉に甘えて3ヶ月ほど休養させてもらい、その後「辛い時は無理しない。遠慮せず、周りを頼る」という前提で復帰する予定です。ただし、これは私だけじゃなく社員全員に言えることだと思います。会社全体の働き方を見直す意味でも、「今回のことを一つの“良いきっかけ”として活かせれば」と勝手に思っております、ハイ。
それはそうと、血液検査の結果用紙を2枚、担当医より手渡されました。1枚は先月緊急入院した時のもの、1枚は診察当日のものです。入院中(5日目)に「今だから言えるけど、入院時の血液検査の数値は『これ大丈夫なの⁉︎』っていうくらい高かった」と告げられていたので、「先生、ちょっと危なかった数値ってどれのことでしょうか?」と質問。
「あぁ、これとこれです」
(心の声:1つじゃないんかーい!・笑)
「こっちは0~0.14が正常値なんですが、◯◯さんはなんと40以上。で、こっちは3,300~8,600が正常値、◯◯さんは30,000以上。現在もまだ正常値に戻ってはいないけど、この時に比べたら全然いいですよ。40倍っていうのはなかなか見ない数字ですから、思わず二度見してしまいました。かなり辛かったでしょう、本当によくここまで回復したと思います。頑張りましたね」
(心の声:そ、そうなんだ…。なんか、想像以上にショックが大きいな…)
先生が、今日まで具体的な数値を言わないでいてくれたことに、ものすご〜く感謝しました。もし一番弱っている時に告げられていたら、心が折れて自暴自棄になっていたかもしれません。私、今までは自分のことを「仮に重い病気だとしても、本当の病名や症状を隠さず、きちんと告知してほしい派」だと思い込んでいたけれど、ひょっとしたら違うのかもしれないなぁ。入院中も、「楽になりたい」などというしょうもない考えがよぎり、うっかり病室(ちなみに9階)の窓を開けてしまったりしたし、意外と脆い部分もあるような気がしてきました。
そのあたり、夫はどう思っているんだろう? 出来るだけ早いうち、お互いの考えを知っておいたほうがいいのかもしれないな。家族なわけだから、今後何かあった時に「告知しますか?」と訊かれる可能性、ゼロではなさそうだもんなぁ…。
この議題、早速夫と話し合ってみようと思います。