その日予約したのは、指名2回目となるセラピストさん(以下Rさん)。積極的にリピートするつもりはなかったものの、話の幅が広くて面白いし、初回以降ちょいちょい連絡をくれていたので再度会うことに。
ホテルに着いて40分ほど話した後、各々シャワーへ。バスルームを出ると、「おかえり。お茶飲んで待ってて」とソファーへ誘導してくれます。私がシャワーを浴びている間、室内の照明を全てオフにし、持参した幾つものアロマキャンドルを焚いて、思いきりリラックスできる空間を作ってくれていたRさん。しかもそのキャンドルは、前回雑談の中で私が「ここの商品好きなんだ〜」と口にしたお店のものでした。覚えていてくれたこと、わざわざ用意してくれたこと…こういう心遣いって、“大事にされている感”を味わえて本当に嬉しいですよね♪
彼のシャワーも終わり、いざスタート。まずは優しく髪に触れ、続いて長めのハグ→軽いキス→手をつないでベッドへ移動。私をベッドの縁に座らせると、王子様の如く跪き、右足の甲にキスしてくれます。Rさんは海外暮らしが長かったせいか、立ち居振る舞いが外国人っぽくて実にスマート。純日本人ながら顔も濃いめ(イタリア系の濃さ)ゆえ、全体の雰囲気とよく合っていてそりゃあ絵になります。イケメンではなく、是非「ハンサム」と表現したいお顔立ち。声も私好みの低音で、匂い立つような色気が全身から溢れ出ている。
初回のカウンセリングで「耳が弱い」と伝えてあったからでしょうか。私を縁に座らせたまま、彼もベッドに上がり、唐突なバックハグ→耳への熱〜いキス&耳元での囁き──控えめに言って最高でございます♡ 長く甘いキスを交わした後、「じゃあ施術始めよっか」の声でうつ伏せに。普通のマッサージはそれほど上手くなかったけれど(笑)、アロマキャンドルの香りと落ち着いた口調が眠りを誘います。ウトウトしかけたところで、性感マッサージへ移行。繊細な指使いと素晴らしい舌技で、体中をとろけさせてくれます。嗚呼、気持ちいい♪
すると突然、一切の動きをストップさせ、私の目をじっと見つめるRさん。どうしたのかなと思っていたら、ひと呼吸置いて、下記の一言が放たれたのでありました。
「ねぇ、どうする?」
わぉ、初めてのパターン! 本番アリかナシかを、お客に丸ごと委ねてくるパターン! この時ばかりは、にっこり笑ったRさんの美しいお顔が、天使のようにも悪魔のようにも見えましたねぇ(汗)。そうですか~、あくまで“お客主導による合体”に持っていこうという戦略ですか~。お主、なかなかの策士ですなぁ。
さて。女風を利用するようになって2年3ヶ月。現在のバランス的には、7~8割=リピート指名、残り=新規指名、という感じだと思います。ちゃんと数えたことはないけれど、双方合意の上で行為に及んだセラピストさんは、恐らくそのうち半分くらい。
女風は本番禁止ですし、私のほうから「したい」と言ったことは一度もありません。したがって合体する際は、単に生理現象だったり溜まっていたり絶倫だったり、はたまた「心もカラダも相性がいいと思って」くれたりで、毎回セラピストさん側からの提案でした。「すっごいムラムラしてきちゃった♪ 挿れてもいい?」「僕、◯◯(←私の名前)とエッチしたいなぁ♡」「お店に内緒でエッチしようよ」「俺もう我慢できない」等々、ストレートに“セックスしたい気持ち”を伝えてくれることが多かった(※もちろん、イヤな場合は断ります)。でも、「どうする?」と訊かれたのは全くの初めてです。意外すぎて、一瞬言葉に詰まってしまいました。
「そういう提案の仕方は初めてだなぁ。新鮮」
「そうなの? じゃあみんな何て言うの?」
「挿れたいとか、エッチしたいとか」
「へぇ、そうなんだ。僕は自分がどうとかじゃなくて、お客さんが『したいか否か』だけだと思ってる。だから相手に決めてもらうよ。まぁ、毎度勃つってわけでもないけどね」
つまり、私が思っていたほど狡い考えではなかったんですね、相済みません(笑)。
なお、Rさんには「次回の楽しみに取っておく」と告げ、本番は遠慮させてもらいました。そして多分、『次回』は永遠に訪れないと思います。彼は容姿も中身も大変素敵なセラピストさんですが、定期的に会いたいとは感じなかった。
本人はそこまで複雑に考えていないかもしれないけれど、万一お店にバレたりトラブルに発展してしまったりした時、残るのは「セラピストではなくお客が本番を望んだ」という事実です。だって、Rさんは「ねぇ、どうする?」と尋ねただけですからね。
それに、私は“泡沫の関係”や“遊びの会話”をもっとじっくり楽しみたい。「エッチしたいな」「え〜? どうしよっかなぁ」「いいじゃん、しようよぅ♡」とか、「挿れてもいい?」「今日はダメ」「え、ダメなの⁉︎ 僕…もしかして何かしちゃった…?」「ウソ、いいよ♪」「も〜う! なんでそんなイジワル言うの〜(泣)!」とか(笑)。一方「どうする?」だと、「したい」or「やめとく」で終わってしまい、何やらつまらないというか、物足りない感じが否めません。
よって、私はやっぱり、お気に入りセラピストさん達が発する“ド直球・誘い文句”のほうが断然好きです♡♡♡