女風は、用法・用量を守って正しく利用いたしましょう。

既婚ユーザー・ネギブロコの女性用風俗利用日記+日常譚

成人年齢

民法改正により、明日・4月1日から成人年齢が変更となります。現行の20歳から18歳へと引き下げられますので、“高校生で大人”となる方も大勢いるわけですね。新たに成人する約200万人(明日時点で18歳及び19歳)の方々、おめでとうございます!

 

変更後、18歳になったら出来ることは──クレジットカードを作る、携帯電話を契約する、部屋を借りる、10年パスポートを取得する、ローンを組む、結婚する、起業する、性別取り扱い変更の審判申し立てをする、訴訟を提起する、帰化する、国籍の選択をする、医師・歯科医師・獣医師・薬剤師他の免許を取得する、公認会計士行政書士司法書士他の資格を取得する、等。これまでと変わらず、20歳にならないと出来ないことは──飲酒、喫煙、公営ギャンブル(競馬・競輪・競艇他)、国民年金被保険者の取得、養子を迎える、等。

また、民法改正に伴い、少年法も明日から変わります。20歳未満であれば、引き続き少年法が適用されますが、18歳及び19歳については「特定少年」と位置づけられ、17歳以下とは異なる取り扱いになります(起訴されれば実名報道が可能。加えて、殺人や傷害致死等重罪の場合、原則として刑事裁判となり、有罪となれば少年院ではなく刑務所に服役、等)。

 

さて。皆さんは、自分が“大人になった”のはいつだと記憶していますか? 私自身は18歳はおろか20歳当時、「自分は大人だ」と感じたことは一度もありませんでした。その前に、まず「大人とは何か」を辞書にて確認しておきましょう。

[大人]

成長して一人前になった人。

1. 一人前の年齢に達した人。「入場料=大人200円、子供100円」。⇔子供。

2. 一人前の人間として、思慮分別があり、社会的な責任を負えること。

3. 昔は、元服後の男子、裳着(もぎ)を済ませた女子。

 

う~ん…。私は現在不惑なので、入場料的にはもちろん“大人料金”を支払うんだけれども(笑)、胸を張って「自分は成長して一人前になった人間です」とは言えないような気がします。だって、成長って一生し続けるものだと思うし、「どこを取っても一人前」とは考えにくいからです。例えば、“日々楽しく生きる”ことや、“自分用の文章と、人様に読んでいただくための文章をきちんと書き分けられる”等においては一人前だと思いますが、料理の腕前だとか、現在の仕事(転職して約1年)だとかは半人前以下。さすがに「自分は子供」とは思っていないものの、「まだまだだなぁ」「未熟だなぁ」と感じることはしょっちゅうあります。そりゃあ「私も大人になったな~♪」と思う瞬間も時折訪れるけれど、“立派な大人”にはほど遠い。

 

自分が20歳の頃に接していた40歳前後の方々は、身なりを含め、今の私より、もっとずっと“大人っぽい大人”に見えていました。ただ、すごくかけ離れた存在とか、ちょっと怖いとか話し掛けづらいとか、そういうふうには全然感じなかった。彼らは確かに大人で仕事も出来たけれど、抜けている部分もあったし、「年上だからと言って、別に完璧なわけではない」というのが分かっていたからです。ゆえに、接しやすかったし親しみやすかった。当時のアルバイト先に、店長より年上のバイトさん(30代後半くらい)も結構いましたが、私たち学生バイトと同じように働いて、長年夢を追っていたり、「俺にサラリーマンは務まらないから、生涯フリーターで頑張るつもりだよ」と言っていたり、いろんな人がいて面白かったです。でも、休憩時間に悩みを相談したりすると、同年代の友達からは聞けないようなアドバイスを、経験談を交えてサラッと話してくれたりする。「同じお店で同じように働いてても、やっぱり人生を倍生きてる人の言うことは違うなぁ。すごい!」と感動したことを覚えています。

 

ところで。3月27日、NHKスペシャル「18歳で大人というけれど  ~成人年齢引き下げを考える~」という番組を観ました。その中で、新成人となる子世代(18~19歳)、及びその親世代、各1,000人の方々にアンケート調査を行っていました。下記に抜粋させて頂きます。

 

◎質問=「4月から成人になることは楽しみですか? 不安ですか?」

【子世代】

楽しみ・どちらかと言えば楽しみ 37.3%

不安・どちらかと言えば不安 47%

分からない 15.7%

【親世代】

楽しみ・どちらかと言えば楽しみ 24.5%

不安・どちらかと言えば不安 61.1%

分からない 14.4%

 

◎質問=「成人になったらやりたいこと/やってほしいことは何ですか?」

【子世代】

自立したい 19.0%

【親世代】

自立してほしい 32.9%

 

「楽しみか、不安か」という二択を迫るのはどうなんだ?という疑問を抱きつつも(笑)、この結果を見る限り、子世代、親世代ともに「“18歳はまだ子供”と考えてる人のほうが多いのかな」と感じました。

そして、“自立”の捉え方ですね。分かりやすい例で言うと、単純に「一人暮らしを始めたから、僕・私はもう自立している人間です」とはなりません。私も成人後、すぐに実家を出ましたが、“自活”はしていても“自立”はしていませんでした(*家賃を含む全ての生活費は貯金とアルバイトで賄っていたけれど、学費は親に全額出してもらっていたので、正確に記せば「自活さえも出来ていなかった」ことになります)。

「自立」には、経済的自立・社会的自立・身体的自立・精神的自立の4つがあると言われていて、基本的には全部揃って初めて“自立”と言うみたいです。それってそれって…18歳でコンプリート出来る強者なんて存在するのでしょうか(笑)? 私は多分、三十路手前でやっと揃ったんじゃないかなぁと思います(汗)。3割以上の親世代が「子の自立」を望んでいますが、それが「家を出ていってほしい」なのか、はたまた「精神的に独り立ちしてほしい」なのか、どういう意味の“自立”を指しているのかが全く見えない。まぁ、そのあたりは、各家庭でじっくり話し合うことなのかもしれませんけどね。

 

ただし、当事者たちがどう感じようと、民法でそう定められた以上、自動的に「大人」へと分類されてしまうことは確定済みです。18歳に達したからといって、突然「今日からスパッと大人になれ」というのは無理な話だし、諸々の対応(成人式はどうするのかとか、養育費は何歳まで払うのが妥当かとか、各種詐欺や不当な勧誘等に惑わされないための十分な教育とか)も追いついていないように感じます。何より、「若者の活力を社会に生かしたい」と言う割に、その主張自体がめちゃくちゃふんわりしているというか、具体的に“どう生かしたいのか?”が伝わってきません。2016年に選挙権が18歳に引き下げられたけれど、それ以降、若年層の投票率や政治への関心は高まったのだろうか。腐った政治家しかいないように見える現在の日本に、何かを期待している若者はいるのだろうか。そして、期待を持たせてあげられるような大人に、私たちは今、なれているのかな…。

 

私自身に子供はいない&今後もうけるつもりもありませんが、姪っ子や甥っ子、友人・知人の子、近所の子、見知らぬ子──出来ればみんなに幸せになってもらいたいです。今の子供たちは大変な時代に生まれてきたと思うけれど、人間というのは想像以上にたくましいし、放っておいても勝手に成長するでしょうから(笑)、私が心配せずとも大丈夫な気もします。だけど、もし支えが必要な時、助けが必要な時、逃げ道が必要な時は、スッと手を差し伸べられる大人でありたい。毒親のもとで育った私は、親以外のいろいろな大人たちに助けてもらったからこそ、“平穏に暮らせる今”があります。その恩は、誰の子であれ返していきたいと思っています。