女風は、用法・用量を守って正しく利用いたしましょう。

既婚ユーザー・ネギブロコの女性用風俗利用日記+日常譚

“大金”への耐性

山口県阿武町・4,630万円誤送金問題で、田口翔容疑者(24)が18日、逮捕されましたね。関連ニュースを最初に見た時、私が思ったことは2つ。

①「いや役所! 随分大胆に送り間違えたなぁ」

②「24歳なら、この先いくらでも稼げるじゃん。たかだか4,630万円で将来を棒に振るとは、なんて勿体ない」

 

「たかだか」と書いておいてナンですけれども(汗)、4,630万円は確かに大金です。でも、同時に“自力で稼げる額”でもある。男性の生涯賃金で言えば、5分の1~4分の1くらいでしょうか。その金額のために逮捕され、前科者となり、顔も名前も知られ、ずっと後ろ暗い思いをしながら生きていく…。そんな選択は、私なら絶対にしません。今の年齢でも、24歳の時であっても。

 


「若いうちに経験できて良かった」と感じることは沢山あります。そのうちの一つが、お金にまつわることです。

 

私は10代後半の頃、某巨大有名施設でアルバイトをしておりました。当時は管理体制がゆるめだったのか、はたまた私が謎の信頼を得ていたのか(笑)、バイト3年目くらいから、しょっちゅう売上金の運搬を任されていました。

その施設は、1日何万人ものお客さまがいらっしゃる…すなわち“動く金額”もそりゃあ凄まじかったので、放っておくと札束がどんどん積み上がってしまいます。それゆえ、ある程度の額になったら100万円毎に束ね、別場所へ移動させる決まりでした。一度社員さんに頼まれて以降、何となく“あれは◯◯さん(←私の名前)の仕事”みたいな空気になってしまったため、警備員さん2人と一緒に、ごくごく普通に3,000万円とかを運んでいたっけ。その時の率直な感想は、「1,000万円って、意外と重量ないんだなぁ」というもの。

 

もちろん、1,000万円が大金であることは理解していたつもりです。ただ10代の私は、大金といえば、映画やドラマで見るような“ジュラルミンケースに敷き詰められた札束”をイメージしていたんですよね。でも実際は、100万円の束の厚さ=約1cm、重さ=約1kgほど。よって、1,000万円は10cm×10kg程度ですから、そのへんにあるトートバッグにだって余裕で入る(笑)。以来、ドラマで身代金を要求されているシーンに出会うと、「5,000万円だったら、そこまで大きいカバンは必要ないですよー」等と冷静にアドバイスしたくなってしまう体質へと変化したのでありました(笑)。

 

アルバイトで得た経験や知識は他にも数多くあるけれど、「億単位の現金を“無の心”で見続ける日々」というのはすごく貴重だったし、勉強や訓練にもなりました。キャッシュレス化が進んでいる現代ですが、「小さい頃から“現金に触れる機会”は出来るだけあったほうがいいんじゃないかなぁ」と、個人的には思っています。投資等を含め、マネーリテラシーを身につける時期は、「遅すぎて後悔した…」ということはあっても、早すぎて損をするようなことはないと思います。

 

10代の頃、「意外と軽いな」と感じた1,000万円。されど、いざ自分で貯めようと試みますれば、これが思った以上に長い道のりなんですよねぇ…(泣)。1,000万円を稼ぐこと自体はそんなに難しくないけれど、「稼ぐ」のと「貯める」のでは大違い。自分の通帳に、初めて『残高¥1,000,000』という数字を見た時も嬉しくて相当興奮しましたが、『残高¥10,000,000』の文字が刻まれた時は、嬉しいというより「いや~、ここまで長かったなぁ」としみじみ、そして静かに感激したことをよく覚えています。

「警備員さん達と一緒に、幾度となく運んだ3,000万円。今更ながら、あれってやっぱりものすごい金額だったんだ…。『持てないほど重い』とかじゃなかったけど、貯めるとなったらめちゃくちゃ大変なんだなぁ」

 

私は裕福とは無縁の家庭出身なので、高校生でバイトを始めるまでは、“この目で見たことがある大金”といえばせいぜい20〜30万円程度。1,000万円なんて想像も出来ないというか、「遠い世界の話」くらいに思っていましたが、大人になったら「至極現実的な金額」なんですよね。だから、1,000万円の重さとか体積とか感触とかを、若いうちに五感で直接感じられたのはすごく良かったです。大きい買い物をする時も、その金額を頭の中で視覚的にイメージ出来るし、例えば臨時収入等があったとしても、変に浮かれて(笑)散財したりもしない。そういう意味でも、“完全キャッシュレス化”には抵抗があります。

 

田口容疑者の「オンラインカジノに全額使った」(*24日、約4,300万円が町へ返金されたみたいですけどね)じゃないけれど、きちんとした金銭感覚が身についていない人達もいる中でのキャッシュレス化推進…というのは、諸々弊害がありそうだなぁと予想します。現金を目にせず&手で触らず、画面に並んだ“数字の羅列”を眺めるだけでは、無限に支払えるような錯覚に陥ってしまう人もいるでしょうし、災害時やネットワークの異常等でシステムが機能しなくなった際は、必然的に現金が必要となります。まぁ結局、「日頃から両方の準備をしておくことが大事」ってことなんですよね(笑)。

私は今のところ、現金=7割、キャッシュレス=3割くらいで生活していますが、今後もしばらくはこの割合でいこうかなと思っています。


ちなみに。私の趣味の一つに「旅行」が挙げられるのですが、行き先が異国の場合、“その国のお金”にも注目しています。紙幣も硬貨も、全体のデザインや色合い、肖像画等にお国柄が出るので、時間をかけてじっくり観察しても飽きないんですよね。旅の記念や思い出の品としてもちょうどよいため、残金は両替せずに持ち帰るのが定番です。帰国後は、自前の一眼レフで撮った写真達とともに“その国のお金”を飾って時々眺め、思いを馳せるのが密かな楽しみ。だから、「もし各国でキャッシュレス化が急速に進んじゃったら寂しい」という気持ちも結構あります。そうなる前に旅をしたいけれど、実際に海外旅行を再開するのは…この分だと、まだまだ先の話だろうな〜。