女風は、用法・用量を守って正しく利用いたしましょう。

既婚ユーザー・ネギブロコの女性用風俗利用日記+日常譚

本音と建前

私には、外国人の友達が結構います。アメリカ、アルゼンチン、イギリス、オーストラリア、韓国、タイ、台湾、中国、フィリピン、ブラジル、ベトナム、香港、南アフリカ…etc.

そして、彼らから「君は日本人っぽくなくて付き合いやすい」と度々言われます(笑)。どういう意味かと申しますれば、一つは「日本人にしては珍しく、話(=言語)があんまり通じてなくても気にしないから楽」なんだそう。プラス、ほとんどの友達に指摘されるのが、「本音と建前がなくて発言がストレート」「社交辞令を言わない」という点です。

 

もちろん、私だって日本人の端くれでございますからして(笑)、相手が同胞なら空気も読むし多少の忖度も致します。されど先方が外国人の場合は、“日本独自の文化”を封印することも多い。

「ホンネトタテマエ」「シャコウジレイ」を異国の方に一から説明するのは、とんでもなく骨が折れる作業です。それに、私自身も元来“本音で接したい願望”が強いので、そのほうが諸々スムーズなんですよね。

 

以上を踏まえまして。先日、ヨーロッパ在住の友達より「真剣な相談」を受けました。「私は台湾人だから、日本人の心が分からない。どうすればいいか教えて」と連絡があったのです。友人・A(仮名)の話を要約しますと──。

「今の職場でお世話になってる先輩(日本人)が、『婦人科系の病気』で入院して今日仕事に復帰した。同僚の男性たちは何も訊かないし、先輩も何も言わない。でも私はとても心配。私がいろいろ知ってれば、先輩をサポート出来ることがたくさんあるはず。女性職員は2人しかいないから、私は『何の病気か。今どういう状況か。心配事はあるか』を彼女に確認したいが平気? 台湾だったらそれを訊くのが当たり前で相手も話してくれるけど、日本だときっと違うよね?」

 

Aは日本への留学経験、及び就労経験があるため、日本人の考え方や思考回路を、かなり深いところまで理解しています。都内の会社に勤めていた頃、「『前向きに検討します』って言ったのに、なんで結局断るの? 行く気が全然なくても『今度飲みに行きましょう』って誘うのはどうして?」等々、「分からないことばっかりで苦労した」んだとか。今も「日本は大好きだけど、『ずっと暮らしていくのは無理』と思った。毎日“本当じゃない気持ち”“本当じゃない言葉”がいっぱいで混乱する。私はいつも本音で話したい」と言います。

 

彼女の気持ちはよく分かります。日本人同士でも、「まどろっこしいなぁ」「イヤ面倒くさっ!」と感じるシーンは相当数ありますもんね(笑)。ただ、オブラートに包んだ表現や、相手の心情・状況に配慮した言動というのは、基本的には“その人の優しさ”だったり“無用なトラブルや軋轢を生まないため”だったりすると思うので、一概に「不要である」とも言い切れません。

Aの先輩がどういう性格なのか?にもよるけれど、私なら「『こちらから話すまでは、出来ればそっとしておいてもらいたい』と思うだろうな」と感じました。よって、Aには「病気の詳細を周りに話したくない可能性もあるし、まして相手は先輩だから、ストレートに訊くのは少々不躾かもしれない。『私に出来ることがあったら何でも言ってください。身体を大事にして、無理は絶対しないでほしいです』と伝えて、しんどそうに見えたら積極的に助ける…っていうのはどう?」と提案。彼女は「分かった、ありがとう!」とレスをくれ、実際にそうしたみたいです。

 

Aは台湾人ですから、彼女のやり方に従って「真っ向から質問する」という方法も取れたと思います。先輩サイドも、“日本以外の国”で生活しているわけなので、ズバッと訊かれたとて抵抗感はそれほどないでしょう。でも今回は、Aが病み上がりの先輩を気遣い、「日本式で接したい」と思って私に相談してくれた。だったら一番日本人っぽいと言いますか、“相手の気持ちや立場を慮る感じの対応”をアドバイスしたほうがいいんだろうなと判断しました。

Aは日頃から本音で生きているし、たとえ相手が誰であろうと、自分の意見をはっきり述べる人です。ゆえに日本では時に誤解されたり、「言い方が失礼だ」と注意されたりしてだいぶ悩んだそう。確かに、彼女は敬語が不得意なので、ビジネスシーンでは相応しくない言葉遣いをしてしまうこともあったと思います。でも、日本語のボキャブラリー自体は大変豊富&勉強熱心(ちなみに台湾語・北京語・広東語・日本語・英語の使い手)。情と思いやりと向上心と笑顔に溢れた、心底尊敬できる人物で、私の大切な友達の一人です。LINEでも電話でも、毎回「大好き♡」と気持ちを伝えてくれ、いつでも「ちゃんとご飯食べてる? 家族はみんな元気?」と気に掛けてくれる心根の優しい女性です。

 

彼女のような友達と触れ合っている時、「私って幸せ者だなぁ♪」と感じます。「大好きだよ」とか「いつも想ってるよ」とかは魔法の言葉というか、言われると照れくさいけどめちゃくちゃ嬉しくて、頬がゆるみまくり、自然とニコニコしてしまう。

何でもかんでも言葉にすべき、とは思いませんが、こういう部分はぜひとも見習いたいです。「言葉で人を幸せにできるって、すっごく素敵なことだな〜」と、あらためて感じる良い機会となりました。