女風は、用法・用量を守って正しく利用いたしましょう。

既婚ユーザー・ネギブロコの女性用風俗利用日記+日常譚

《小噺 二十二. 勘違い》

お気に入りセラピストの一人・Aさん(仮名)とは、1年以上のお付き合い。いつものように、プレイ後お茶を飲みつつおしゃべりしていたら、意外な言葉を投げかけられました。

「ねぇねぇ、もし俺が『店辞める』って言ったらどうする?」

 

心の中で「別にどうもしない」と思ったけれど(笑)、ひとまず口には出さないでおきます。

「セラピストの仕事、辞めるの?」

「いや、まだ決めたわけじゃないから、あくまで可能性の話として聞いてほしいんだけどさ」

「うん、分かった。何?」

「あのね、店辞めて『個人でお客さんを取る』っていう手もあるなと思って。そしたら◯◯(←私の名前)、今まで通り俺のこと指名してくれる?」

 

簡単にまとめるなら、彼の言い分はこうです。「店に所属してると、売り上げの半分を持っていかれる。でも、独立して個人で営業すれば、店より価格帯を下げても俺は今までより稼げるし、お客さんも同じサービス内容で料金割安になるから、お互い得だと思うんだ〜♪」

ふむふむ、なるほど。そりゃまぁ、理屈としてはそうでしょう。だけど、どう考えても「お互い得」にはなりようがない。

 

私はAさんの発言に対し、出来るだけ包み隠さず、「かなり正直な意見」を伝えました。

◆大抵のユーザーは、“お店の常連客”であって“Aさんの常連客”ではない。したがって、実際お店を辞めたらあなたを指名するユーザーはほぼいないと思う。当然、私も指名しない…というか、連絡自体を断つ。

◆お店に所属しない場合、何らかのトラブルが発生した際、間に入ってくれる人が誰もいなくなる。自力で解決できる自信はあるのか、もしくはそういう時に助けてくれる人はいるのか?

風営法や納税について、正しい知識を備えているか? このまま突っ走ったとして、自分だけでなく“お客さんごと巻き込んでしまう事態”を想像できているか?

 

最後に、「お店を辞めるのはあなたの自由だし、どうしても個人で営業したいなら好きにすればいい。今の話は聞かなかったことにする。その代わり、辞めたら私の連絡先はすぐ削除してね。万一接触を図ってきたら、店長にソッコー言うから。『Aさん、おたくを退店した後、個人でバンバンお客取ってますよ』って」と付け加えました(満面の笑みで・笑)。

終始黙って聞いていたAさんでしたが、私が話し終えると「は~ぁ…」と大きな溜め息を一つ。

「やっぱ◯◯に相談して良かったよ、スゲーちゃんと答えてくれるね。俺ってさ、考え甘いのかな?」

「・・・」

「本音言ってくれていいよ」

「じゃあ遠慮なく言うけど、甘いと思うねぇ。それも相当に(笑)」

「そっか~、相当にか~(笑)。でも本当、サンキューね。もっかいちゃんと考えるわ」

 

お店に籍を置いている限り、新人であろうとベテランであろうと、一応全員“プロのセラピスト”です。意識の差、テクニックの差等は結構あれど、“素人”は所属していないことになる。Aさんは「女風セラピスト歴2年強」なので業界の経験としては十分ですが、仮に個人で活動するとなったらプロではなくなります。いろいろな意味で“完全に素人”。私は、たとえ長いお付き合いであっても、素人に身体を預ける気も、危ない橋を渡る気も一切ございません。「安心・安全に利用できてこその風俗」だと思っています。


ちなみに。その後Aさんとは何となく疎遠になってしまい、全然連絡を取らなくなりました。今頃、どこで何をしているのやら…。ともかく元気に、そして“真っ当な働き方”を選んでくれていることを願うばかりです。