女風は、用法・用量を守って正しく利用いたしましょう。

既婚ユーザー・ネギブロコの女性用風俗利用日記+日常譚

ハイリーハイパー

皆さま、“お休みの日”はどのように過ごされていますでしょうか? 私はと言いますと、独身だろうと既婚だろうと、多忙だろうと暇だろうと、何時如何なる時も好き勝手に過ごしております。

我が家は夫婦ともに土日休み(*私は現在無職・汗)だけれど、基本的には別行動。どこか一緒に行きたい場所があったり、「外食でもしながらゆっくり話したいな〜」と思ったりした時は、『金曜の夕方くらいまでに申請する』というのがルールです。


さてさて、遡ること約3年前。私たちは性行為も同棲もしないまま夫婦となりましたゆえ、“結婚してから判明した事実”が山ほどありました。ちょろっとデートを重ねただけでは分からない、「共に生活してみて初めて知る、お互いの癖やこだわり」「考え方の違い」等が続々登場したわけですね(笑)。

同居を始めてから半月後、“気になること”“すり合わせておきたいこと”が若干溜まってきたため、「そろそろ一度、ちゃんと話し合っておいたほうがいいかも」と感じた私。そこでとある金曜、昼休みに夫へ連絡…もとい「予約」を入れました。

 

「お疲れさま~。ちょっと話したいことあるから、明日の夜時間もらってもいいかな?」

「うん分かった、空けとくねー」

 

当時私は出版社勤め及び繁忙期だったこともあり、金曜の夜遅くに帰宅(夫は爆睡中)。翌朝起きたら彼は既に外出していたので、一人優雅にブランチを堪能していると、「ただいま」と夫が帰ってきました。

「おかえり、今日は早いね。いつも夕方まで帰ってこないのに」

「うん」

「じゃあ私も出掛けてくるね。また夜に〜」

「あ…うん。行ってらっしゃい、気を付けて」

 

夕飯前に帰宅すると、リビングで夫が待ち構えていました。「大抵自室にいるのに珍しいなぁ」と思っていたら、彼は意を決した表情でソファーから立ち上がり、こう言ったのです。

「あのさ、話って何?」

「あぁ、ご飯食べてからでいいよ」

「出来れば今聞きたいんだけど…。実は、昨日から心臓がバクバクしちゃって気が気じゃなかったんだ。ご飯の前に話してくれない?」

「え? 何で心臓バクバクなの?」

「いや…良くない話かと思って…」

「ん???」

「例えば『離婚したい』とか…」

「はっ⁉︎ 何それ(笑)? 全然違うよ! 家計の見直し案と、共用部分の掃除についてだよ」

「え、そうなの?」

「うん。っていうか、何で急に離婚話とかになるの?」

「だって、あらたまって『話がある』って…」

「別にあらたまってないじゃん。システム的にはいつもと同じでしょ? ルールに則ってるだけなんだから(笑)」

「そっか…。言われてみれば確かにそうだね」

「出た~! マイナス思考(笑)!」

「本当だ…(笑)」

 

 

この時は単に「安定のマイナス思考が発動しただけだ」とあまり気にしていなかったのですが、しばらく経って「彼、もしやHSP(Highly Sensitive Person)なんじゃないだろうか?」と思いました。

夫からは何も告げられていないけれど、軽く調べてみたら、HSPに当てはまる特徴が幾つもあるのです。人が大勢集まる場所が苦手、音にすごく敏感、誰かの“些細な一言”が気になってしまう…等々。

私としては、「何か予定があるかもしれないし、ひとまず先に伝えておこう」という親切心のつもりで予告したに過ぎません。でも、彼の“受け取り方”は恐らく全然違ったんだと思います。後で詳しく訊いたところ、「悪いほうにばっかり考えちゃって、昨日からずっと不安だった。『何を言われるんだろう…?』ってすごく怖かった」んだとか。

 

「もしも逆の立場だったら」と仮定してみます。私なら、単純に「話があるのね。はーい、了解!」と思うか、そこまで気になるのであれば、LINEをもらった時点で「話したいことって何? 内容知りた〜い‼︎」と本心をレスします。「一人で悶々としてないで、すぐ訊けばいいじゃん。色々めんどくさ…」と思うけれど(笑)、夫にとっては質問すること自体、だいぶハードルが高いのでありましょう。よって考えた結果、下記のように対処致しました。

「じゃあ二択ね。これからは、①『◯◯について話したいから時間取って』って用件を先に知らせる。②もしくは特に予告せず、当日いきなり話す。この2つだったらどっちがいい?」

「断然後者がいい。僕の場合、用件知らせてくれたとしても『どういう内容だろう?』って延々考えちゃうと思うから…」

「オッケー! その代わり、『突然言われても、今時間ない』とか言わないでよ(笑)?」

「それは大丈夫、言わない。譲ってくれてありがとう。すごく助かる」


夫を見ていると、いろんな意味で「大変だろうなぁ」と思います。ただ、彼に合わせて…というか慮りすぎて暮らすとこっちまで疲れてしまうし、夫も「君は君らしく、そのままでいてね。僕も学ぶことが多いから」と言ってくれているので、私は変わらず能天気に(笑)生きる毎日です。

世の中にはさまざまな人がいますが、身近に自分と正反対の人がいると、日々“気付き”があって面白い。「そういう考え方もあるのか~」とか「え、そんなこと気にしてるの⁉︎」とか。多分、私にとっては“そんなこと”でも、彼にとっては“重要なこと”なんですよね。当然その逆もあるだろうから、まさに「お互いさま」の精神でございます。

私は、たとえ“完全に理解する”のは難しくとも、“少しずつ譲り合う”ことは可能だと思っています。夫婦に限らず、友人・知人、果てはただすれ違うだけの人や、地球の裏側で暮らす方々であっても同じです。みんなが少しずつ譲り合い、それぞれ快適に生きていける世界になったらいいなぁと本気で思います。壮大なる理想論かもしれないけれど…。


=追記=

大阪出身の男友達とLINEしている最中、たまたま“お互いの連れ合い”の話題になりました。

「ウチの夫、ちょっとHSPっぽい気配がするんだよね〜」

「ナニソレ?」

「ハイリー・センシティブ・パーソン」

「ナニソレpart2。ハイパーメディアクリエイターみたいなもん?」

「いや古っ‼︎懐っ‼︎笑︎ でもそれいいね♡ ハイパーとハイリーって似てなくもないし、『ハイパー・センシティブ・パーソン』だと響きが結構ポップになるしさ」

「そら良かった。…って違うわ!笑 ほんで実際何なんそれ?」

大阪の方々は、対面・電話はもちろん、文字上でのやり取りであっても、会話のテンポが早い&ボケとツッコミを忘れないイメージがあります。何人かいる関西出身の友達は全員こんな感じで、話していてとっても楽しく、会話が途切れた経験や、笑いが織り交ぜられなかった経験がほとんどありません。頭の回転は早いしサービス精神は旺盛だし、誠に素晴らしいですね♪ 人生で一度くらい、“関西人の彼氏”を作ってみればよかったかしら♡♡♡