先月迎えた、3回目の結婚記念日。その翌々日、長〜いお付き合いの男友達と食事へ行ってきました。相手は、「ただ美味しいものを食す会」の会員・Uさんです。
陽気なシェフが作ってくれるイタリアンを食べながら、お互いの近況を報告。私は“無職ライフ”を満喫していることや、平穏な結婚生活を送っていること、彼は最近の恋愛事情や、モデル達の我儘ぶり(*Uさんはモデルエージェンシー勤務)等々を話します。
お酒も煙草もナシで、くだらないこと、何でもないことを延々話せる相手は私にとって貴重だし、一緒にいて楽しいんですよね。Uさんは仕事柄…いえ、かなりの遊び人ゆえ(笑)、女性が好む料理、内装、立地等を熟知しており、お店のセレクトミスがありません。久々に“少し贅沢な時間”を過ごすことが出来て、大・大・大満足です。しかも、帰り際には「結婚3周年おめでとう」と、上品な香りの高級バスソルトをプレゼントしてくれました。まったく、どこまで出来た男なんだ。この気配り上手♪
「今日はどうもありがとう。久しぶりに会えて嬉しかったし、いろいろ話せてめっちゃ楽しかった! またゴハンしようね」
「うん、俺もすごい楽しかった。いい店見つけたらすぐ連絡するよ。ねぇ、それ旦那さんと一緒に使うの?」
「え? あぁ、彼はお風呂別々派だから、それはないかな。っていうか、そもそもシャワーだけっていう日が多いかも。私はしっかり浸かるけどね」
「そうなんだ。じゃあさ、俺と湯船浸かるっていう手もあるよ♡」
「なるほど、そういう手口なのか〜。口説く時は、バスソルト渡して『一緒に入ろ』が鉄板?」
「手口って言うなよ、人聞き悪いじゃん(笑)。でも本当、俺はいつでもOKだから。何なら今夜でも」
「も〜う、それ2年前も言ってたよね? 懲りないというか何と言うか」
「◯◯(←私の名前)こそ、俺とそうなるの、そんなに嫌なの?」
「別に嫌とかじゃなくてさ」
「なら試してみようよ」
「だから…」
まだ話しているにもかかわらず、途中で唇を塞がれてしまいました。慌てて彼を突き飛ばし、すぐさま抗議。
「ちょっと! 何やってんの⁉︎」
「え? 俺『試してみよう』ってちゃんと言ったけど」
「承諾してないでしょうが!」
「嫌じゃない=OKでしょ?」
「私は『嫌“とか”じゃない』って言ったの。『嫌じゃない』とは言ってない」
「そんな細かいこと気にすんなよー」
「大違いだよ、気にしてよ~!」
軽い押し問答の後、いつも通りにハグ&バイバイしたけれど、新たな発見が一つ。それは、「一般男性とのキスでも、罪悪感をまるで感じない自分がそこにいた」という事実です。
私はこれまで、女風のセラピストさん達と散々エロいことをしても、罪悪感や背徳感が一切ないのは「相手がプロだから」「正当な料金を支払っているから」に尽きるとばかり思っていました。でも、Uさんは長年にわたる友人であり、ごく普通の男性です。いや、“ごく普通”というのは違うか…。正しくは、「若い頃からめちゃくちゃ遊び慣れている男前」の独身男性ですね。
彼は生まれた瞬間から遊び人なので(笑)、キスなんて挨拶みたいなものでしょうし、多分誰にでも出来るんだと思います。そのせいなのか、キスを交わしても罪悪感もなければ、「私…浮気しちゃった」みたいな感覚も全然ない。これには驚いたけれど、「ひょっとしたら、私自身がもともとそういう思考なのかもしれない」と想像してさらに驚いてしまった。
今日までの人生、「浮気したい」と思ったことも、実際に浮気をしたこともない私。よって、“浮気してしまった時の自分の心情”を知りません。つまり、たまたま経験がなかっただけで、元来「浮気しようが不倫しようが、相手がプロ(セラピスト他)であろうが一般男性であろうが関係ない。罪の意識など微塵も感じない」タイプの人間だという可能性もあるわけです。そう思ったら、「ちょっと怖い」と慄く気持ちと、「“自分でも知らない自分”が奥底に眠っているのかも」と高揚する気持ちがごちゃ混ぜになって、よく分からない感情になりました。う〜ん、摩訶不思議。
なお、Uさんとの関係性は別段変わっていないため、「ただ美味しいものを食す会」は引き続き開催する予定でおります。彼と定期的に会うことによって、新しい扉を開いてしまったり、境界線を越えてしまったりする可能性も否定できないけれど、その時はその時です。流れに身を任せ、そして“己の心”に判断を委ねると致しましょう。