女風は、用法・用量を守って正しく利用いたしましょう。

既婚ユーザー・ネギブロコの女性用風俗利用日記+日常譚

音楽は、変わらず側に。

老いも若きも夢中になっているドラマ「silent」(フジ/木曜22時~)、ご覧になっていますか? 私もドハマりしておりまして、毎週キュンキュンしたり涙を流したり、はたまた“いろんなこと”を考えたり感じたりしながら観ています。

 

〔*ここからはネタバレを含みますので、内容を知りたくない方はご注意ください〕

 

 

8日に放送された第9話では、主人公・佐倉想(目黒蓮さん)が完全に聴力を失ってしまうシーンが描かれていました。


サッカー(←自らプレー)と音楽(←聴く専門)が大好きな想の部屋には、棚いっぱいにCDがずらり。私も無類の音楽好きで、「配信サービスも利用するけど、基本的にはCDを手元に置いておきたい。ジャケットを眺めるのも歌詞カードを読み込むのも至福の時間」と思っておりますゆえ、綺麗に並べられたCD達を見て共感の嵐。しかも好きなアーティスト(スピッツミスチル)がカブっているため、「私もそのアルバム持ってる! めっちゃいいよね〜♡」と嬉しくなります。

だから、想が病気のせいで聴力を失ってしまう瞬間は、本当にやるせなくて辛かった。

愛用のミュージックプレイヤーにイヤホンをつなぎ、大好きなスピッツの曲を流しても音が聞こえない。母親に向かって喋っても、相手の声はもちろん、“自分が発しているはずの声”がまるで聞こえません。

「ねぇ、声出てないよね? さっきからずっと喋ってるつもりなんだけど、声出てないよね? 何か言ってよ。出てないよね?」

母親の腕を掴み、泣きながらそう訴える想。言葉に詰まり、何も答えられない母親…。観ているこちらまで、胸がぎゅーっと痛くなる場面でした。

 


そして。このドラマが始まってから、あらためて“文字の強さ”“言葉の強さ”を感じる日々を送っています。


もう一人の主人公・青羽紬(川口春奈さん)はタワーレコードでアルバイトをしているのですが、私が日頃、一番お世話になっているCDショップもタワレコタワレコのキャッチコピー「NO MUSIC, NO LIFE.」も大好きで、見る度に「本当にその通りだよねぇ」と頷きつつ生きてきました。

でも、聾者となった想が、バイト先の紬(聴者)を訪ねるシーンでハッとさせられた。店頭に大きく掲げられた「NO MUSIC, NO LIFE.」の文字──。初めて目にしたその時以来、ずっと“心躍るコピー”だと思っていたのに、突然“心をえぐるコピー”に見えたのです。

「私は『音楽のない人生は考えられない、耐えられない』と思って生きてるけど、それは想も同じなんじゃないか? だとしたら、『NO MUSIC, NO LIFE.』というコピーは、“聾者である自分”を否定されたような気持ちになってしまうかもしれない…」

この素敵なコピーを、「ネガティブに受け取らざるを得ない人もいる可能性」について考えたことは、これまで一度もありませんでした。


よって、9話の終盤、タワレコにて“想が新しいCDを購入する姿”を見られた時は、すっごくすっごく嬉しかったです。

聴者ではなくなったこの3年間、段ボール箱に詰め、目の届かないところへ押し込んでいたCD達…。何やら吹っ切れた様子の想は、姉・妹と一緒に、それらを全部元の場所に並べます。音楽を耳で聴けなくなるのは当然寂しいだろうけど、“音楽を全く感じられなくなる”“音楽に全く触れられなくなる”わけじゃないですもんね。そのことを、紬と想、想の家族が気付かせてくれたように思います。

 

ちなみに。私には“サッと出来る手話”が2つだけあります。それは「ありがとう」と「トイレ」。そのお話は、また次回。

今夜はこの辺で、オヤスミナサイ♪