なじみの美容師・Kさんに、ヘアカラーをしてもらっていた時のこと。鏡越しに「相談っていうか、ちょっと質問してもいいですか?」と言われました。何事かと思えば、「ネギさん、大抵音楽聴きながら(店に)来られますよね。いつも有線イヤホンですけど、それってどうしてですか? よかったら、有線のいいところを教えてもらえませんか」という内容でした。
私はかなりの音楽好きゆえ、“何も聴かない日”というのは1日もありません。外出する際は、「ミュージックプレイヤーと共に」がデフォルトです。自室でならスマホで聴くこともあるけれど、やはり音質が劣るし、スマホは別の用途も色々あるから、なるべく容量を空けておきたい。よって、“ミュージックプレイヤー+有線イヤホン”という、今時そう多くはないであろうスタイルを貫いているのです(ちなみに、スマホで聴く時も有線です)。
では早速、「私が思う有線イヤホンのいいところ」を挙げてみましょう。
・何といっても音質が素晴らしい
・長時間使用しても耳が痛くならない
・充電不要。当然、充電器の持ち歩きも不要
・紛失の可能性が低い
・タフ♡(あまり劣化しないため長持ちする&ある程度雑に扱っても大丈夫)
・一目見て「彼女、今音楽聴いてる」と周囲の人に伝わる=「あんまり話しかけてほしくないな…」と思っている時に大変有効
・必要ならすぐ耳から外して、首に引っ掛けておける
・音ズレしない(スマホでのゲームや動画視聴時)
・形状、機能、価格、色、デザイン等の種類が豊富
・ハイエンドモデルであってもべらぼうに高い商品は稀なので、複数持ちして機能別に使い分けることが可能
…等々。
一方のデメリットは、「運動時に邪魔になる」「混雑している場所では、誰かの衣服やバッグに引っ掛かってしまうことがある」の2点くらい。「逆に無線のいいところは?」と尋ねたら、「(Kさんの趣味である)ジョギング中も邪魔にならない」「デザインがカッコイイ」と返ってきました。ふむふむ。
かくいう私も、各メーカーさんがこぞってワイヤレスイヤホンを売り出し始めた当初、それなりに「良い」とされている品質のものを一応買ってみました。自分で試してみない限り、良いも悪いも分からないですからね。
その結果、まず耐えられなかったのが素材の硬さです。私は耳が小さいこともあり、装着して30分もすると痛くて&不快で仕方がない…。あとは、これも耳のサイズの問題なのか、はたまた単に合っていない商品を選んでしまっただけなのかは不明ですが、何度も何度も、耳からぽろりと抜け落ちてしまうのです。購入して1ヶ月も経たないうちに、どこかで落としたらしく紛失してしまいました。そして何より、音質がよろしくありません。
当時はプライベートのみならず、仕事(雑誌記者)においてもプロの音楽や声を聴き続ける毎日だったため、“納得できる音質じゃない”というのは致命的。しかも使用頻度が高いので、「いつ充電が切れてしまうのか?」という不安を抱きながら使うのは大きなストレスでした。一度、担当していた歌手より「これだったら音質問題ないと思うよ。充電も比較的持つし」と誕生日に頂いた高級無線イヤホンも、残念ながら私には合わなかった。まぁ、無理してワイヤレスを使う必要はありませんから、「これまで通り、有線イヤホンにお世話になろう♪」と相成ったのでございます。
ところで。既に数年のお付き合いがあるにもかかわらず、なぜ今更そんなことを訊くのか?と不思議に思い尋ねると、「実は先日、子供に訊かれまして」とのお返事。
「今は子供用の小さいヘッドホンを使わせてるんですけど、僕や妻はワイヤレスなんですね。この前突然、『私も大きくなったらそれ(ワイヤレスイヤホン)するの? 大人でも線あるやつしてる人いるよね? なんで?』と。それで、周りの方々にアンケートを取らせてもらってるんです。僕も数年前まで有線だったはずなのに、使い心地とか全然覚えてなくて…(汗)。ネギさんはずっと有線だから、是非ご意見伺えればなぁと」
ほ〜う、なるほど。今の子供たちは、生まれた時から有線・無線の両方がある環境なわけで、確かにそういう疑問が生まれるのも頷けます。
どちらを選ぶにせよ、一つ付け加えたいのは「ノイズキャンセリング機能はくれぐれも、くれぐれも正しく使用するよう指導してあげてください」ということ。
ノイキャン機能は非常に便利だし難聴予防にもつながりますが、人によっては耳の圧迫感、或いは頭痛、めまい等を感じるケースもあります。プラス、遮音性が極めて高いため、うっかり機能をオフし忘れて、そのまま道を歩きでもしたら本当に危険です。車やバイクの音が聞こえず、事故に遭ってしまったり、迫り来る足音を察知できず、思わぬ事件に巻き込まれてしまったり…。それは子供だけでなく大人にも言えることだけれど、幼い頃から知っておいたほうが絶対いいと思います。
何にでも当てはまるでしょうが、優れた機能やシステムも、ひとたび使い方を誤るとえらいことになったり致します。お子さんには、そのあたりも含めて教えてあげてほしいなぁと、思ったり思わなかったりするカラーリングタイムでございました。