週末の深夜、昔お世話になった先輩と久方ぶりに電話でお喋り。彼女と私は別の出版社に勤めていたのですが、当時手掛けていた雑誌の毛色が180度違ったせいか、変にライバル視されることもなく、長年にわたり面倒を見てもらっていました。
彼女の旦那さんは、今(悪い意味で)注目を集めているテレビ局の関連会社勤務。彼女自身とは直接関係ないものの、若干心配になって連絡したところ、「確かに現場は大変みたい。けどそんなことより聞いてよ〜」とすぐさま話題を変えられてしまいました。そこまで深刻な感じでもないのか、はたまた不用意に触れてくれるなという意味なのか...? どちらにせよ、声はとっても元気そうだったので一安心です。
さて。彼女は現在48歳。芸能誌→育児誌の担当に変わったけれど、当時と同じ出版社でバリバリ働いています。目下悩まされているのは「突如始まった更年期障害」だそうで、「リアルに旦那の職場のことなんか気にしてる余裕は全然ない(笑)」。
時は「47歳も終わりかけた初夏の朝」。子供たち(長男/中学生、次男/小学生)の朝食を作るべく冷蔵庫を開けようとして、その扉をうまく開けられなかったことがきっかけとなり病院へ行ったんだとか。
「起床後に顔洗った時は何ともなかったのに、いきなり違和感が襲ってきてさ。手全体がこわばるっていうか、指の関節が思うように動かないっていうか。だから肘で(冷蔵庫の扉を)開けたんだけど、包丁もフライパンも持てなくて、結局『今日は自分たちでやってくれる?』って。急いで病院行ったら『更年期の症状ですね』って言われて驚いちゃった。私の中では、“更年期=イライラ・ホットフラッシュ・汗だくだく”の三大イメージだったから。『頭痛や関節痛等の“痛み関連”も、実は更年期における代表的な症状の一つなんです』っていう説明受けて『ほぇぇ、知らんかった!』ってなったよ。以降は週1回通院して薬も飲んでるけど、だからって症状が全くなくなるわけじゃないんだよね。特にこの時期、ただでさえ指かじかむじゃん? うちのキッチンすんごく寒いし、暖房つけても暖まるまで時間かかるから、冬場は余計しんどくてね…」
私自身、まさに彼女の言う「三大イメージ」しか持っていなかったため、更年期障害に“手指のこわばり”という症状があるとは意外でした。記者はパソコンでの作業が大半ですし、自ら写真撮影する機会もそこそこ多い仕事。私も記者時代、ほんの少し指先を怪我しただけで、タイピングは遅くなるわシャッターは押しづらいわで苦労した経験が何度かあります。彼女の場合、どこか一箇所ではなく「手指の全部がこわばる」そうなので、結構な支障があることでしょう。
「効率は落ちるよね、どうしても。個人差があるから、はっきり『何歳まで』とは言えないらしいんだけど、ドクターは『(更年期は)トータル10年ほど続くと思ってください』って。いやいや、10年って長すぎないか(泣)? でもま、どのみち付き合っていくしかないんだし、突入しちゃったもんは仕方ない。幸い、長男が協力的だから甘えさせてもらってるよ。朝ごはん、次男の分まで作ってくれるんだ〜。我ながら『めっちゃ良い子♡』って毎朝感動してる。この気持ちを味わえたのも、更年期のおかげといえばおかげかもね。あ、◯◯(←私の名前)はまだみたいだけど、老眼も更年期も、本当にある日突然来るから心の準備だけはしておきなよ。そんで、めでたく仲間入りしたら(笑)何でも訊いて。仕事とか関係なく、“人生の先輩”として教えられることがあれば全部教えるから」
彼女を心配して連絡を入れたつもりが、最後はこちらが励まされたり「心強い言葉をいただけたなぁ。やっぱり頼もしいなぁ」と思えたりする──。尊敬できる先輩に出会えたこと、そして退職後も変わらぬ関係でいてくださることに、心から感謝しています。ありがとうございます。
それにしても、他所のお子さんの成長というのは恐ろしく早いですねぇ。ついこの間、「ぽわっぽわの赤ちゃんだったはずが、もうお兄ちゃんになるなんて♪」などと思っていたのに、気付けば中学生で、今や優しく母を気遣い、弟の分まで朝食を作ってあげられるメンズに成長したとは驚きです。会ったのは2回だけなのに、思わず感涙してしまいそうな勢いでございます。今後、お父さんの親会社絡みで、ひょっとしたら嫌な思いをすることがあるかもしれないけれど、どうかこのまま真っ直ぐ育ってくれますように。陰ながらお祈りしております。