女風は、用法・用量を守って正しく利用いたしましょう。

既婚ユーザー・ネギブロコの女性用風俗利用日記+日常譚

文字に想いを宿して

満開の桜、そして入社式や入学式のシーズン…ときますれば、「エンタメLOVE♡」の私にとってはそう!新アニメ&ドラマがスタートする時期でございます。今期も面白そうなアニメが沢山あって嬉しい限り。2クール連続放送中の「薬屋のひとりごと」(日本テレビ)も、引き続き楽しみに視聴する所存です♪

 

さてさて。私自身は観る予定がないものの(笑)、女風関連のドラマが4月1日深夜より始まりますゆえ一応ご紹介をば。

それは「ジョフウ  ~女性に××××って必要ですか?~」(テレビ東京/火曜深夜24時半)という名の、“お仕事ヒューマンドラマ”(←公式サイトより引用)。ひょんなことから女風の内勤として働くことになった主人公・藤崎アカリ(山崎紘菜さん)が、先輩スタッフやセラピストたちと協力し合い、お客の要望に応えるべく奮闘する…的な物語です。興味のある方はご覧になってみてくださいませ。

 

 

ところで。私はテレ東が作る個性豊かな番組が好きだし、局自体への信頼もかなり厚いけれど、上記のドラマに関してはその限りではありません。もうね、タイトルを見た瞬間「うわぁ…」と思いきり拒否反応が出ました。主な理由は二つ。

一つ目。女風をカタカナ表記にしている。二つ目。タイトル内に“××××”…つまり伏せ字を使用し、視聴者を無駄に煽っているように見える。プラス、原作漫画へのリスペクトがあまり感じられない。

 

原作のタイトルは「真・女性に風俗って必要ですか?  ~女性用風俗店の裏方やったら人生いろいろ変わった件~」。

まぁ、確かにドラマタイトルとしては長すぎるでしょうし、変えること自体は理解できます。でも、「女性に風俗は必要か?」という投げかけそのものを、伏せ字によって“分からないもの”にしてしまうのは違うんじゃなかろうかと思うんですよね。あと、「ジョフウ」という文字を見て、すぐさま「女性向けの風俗」だと脳内変換できる人がどれくらいいるでしょうか。「女風だと読み方が分からず困惑したり、“おんなふう”と誤読したりしまうかも」と考えてカタカナにした可能性もあるけれど、ならばルビを振る…いや、ラテ欄にルビは入らないから、例えば「女風  ~ジョフウ内勤お仕事日記~」等、サブタイトル内に読み方を入れ込むとか、別の方法も取れたのではと思います。私のような文字大好き人間からすれば、「本当に『これがベスト』だと思ってタイトル付けてますか? 著者や視聴者に対して、胸を張って提示できるタイトルなんですか?」と問いたくなるほど違和感のある変え方です。

 

それに。あくまで私の場合ですけれども、伏せ字で煽られた時点で観る気・読む気は失くなります。1%の可能性も残さず、全くのゼロになる。

電子漫画をよく読むせいか、漫画絡みのネット広告が度々表示されるのですが、近年、台詞部分を黒塗りにして“主人公が何と言っているのか?”をがっつり隠すパターンが増えてきました。あの悪しき手法で「気になる! 本編を読みたい!」ってなる人、いるんですかね…? 私は真逆で、「絶対読みたくない」と感じます。

もし私が作者の立場だったら、一言一句魂を込めて書いた台詞を伏せ字になんかされたら怒り狂うと思うし、「こういう売り出し方を平気でする人たちが関わってるんだ」と思うと「では距離を取ります」の一択しかございません。仮に素敵な内容の作品だとしても、私は全っ然読みたくない。わざわざ広告料を支払って「読みたくない」と思わせるとは、お金に余裕があって羨ましい限りですねー(棒)。

 

ドラマのキービジュアルです。カタカナ表記+伏せ字とは、今あらためて見ても、このタイトルには違和感アリアリ…

なお、漫画の表紙はこんな感じ(ヤチナツ著/新潮社刊)。見ての通り、カタカナも伏せ字もございません

 

 

これは私見ですが、“文字によって興味を持たせる”というのは、下記のようなことじゃないかしらんと思います。

同じく4月1日スタートの新ドラマを2本、例に出させてください。1本目は「しあわせは食べて寝て待て」(NHK/火曜22時~)。原作は、水凪トリさんの同名漫画。まず惹かれた点は、“幸せ”でも“倖せ”でもなく“しあわせ”という平仮名表記。次に、“食べて寝て待て”という語呂の良さと、「単語自体はお気楽な感じだけど、きっと軽い内容じゃないんだろうな」と想像させてくれる点。事実、調べたらそこそこ重めのストーリーでした。なれど強い関心を持ったし、出演者も実力派揃いなので視聴しようと思っています。

 

病気を患い、生き方を変えざるを得なくなった主人公・麦巻さとこ(桜井ユキさん)。引っ越し先である古びた団地で、様々な人たち、そして薬膳料理と出会い、“自分なりのしあわせ”を見つけてゆきます

こちらは原作漫画「しあわせは食べて寝て待て」(水凪トリ著/秋田書店刊)の第1巻表紙。試し読みしましたが、優しい絵柄と“穏やかに流れる日常”の描写がマッチしており自然と癒やされました。現状、薬膳に興味はあるものの、なかなか取っ付きづらい世界というか、「私みたいな素人には難しいんだろうな」と勝手に思ってしまっているところがあります。なので、この作品を通して身近に感じられるかも…と密かに期待しておる次第です、ハイ♪

 

もう1本は「対岸の家事  〜これが、私の生きる道!〜」(TBS/火曜22時~)。朱野帰子さんのヒット小説「対岸の家事」が原作ですから、既にご存知の方も多いことでしょう。小説は未読だけれど、タイトルと大まかな内容は私も知っています。数年前にこの表題を初めて見た時「おぉ、なるほど~!」とそりゃもう深く、うんうん頷いたっけ。著名な小説家さんに対して言うのもアレですが(汗)、「めちゃくちゃ上手い表現だなぁ」と感心してしまった。この5文字、そして装丁を見た瞬間、物語のイメージが頭の中でブワッと広がりました。これこそが“文字の持つ力”だと思います。

一方の伏せ字は、私にとって文字ではありません。もちろん、放送禁止用語等、必要な場面で使うのは全然いいけれど、煽る目的で乱用するのは控えていただきたい。せっかくスペースがあるのに、伏せ字で埋めてしまうのは非常に勿体ないです。

 

多部未華子さんが演じるのは、毎日家事と育児を頑張る専業主婦。ワーキングママ(江口のりこさん)や育休中のエリート官僚パパ(ディーン・フジオカさん)等、まさに“対岸の人々”も登場しますゆえ、いろいろな立場や状況下での家事を疑似体験できそうです

2018年に発売された「対岸の家事」の表紙がこちら(朱野帰子著/講談社刊)。素晴らしいタイトル、そしてこれ以上ないほどタイトル&テーマに沿った装丁で、目にした瞬間“様々な分断”をイメージすることができます。四六判変型、定価=1,540円、頁数=計322

文庫版(定価=924円、頁数=計448)もあります。装丁のテイストがここまで違うと、表紙から受ける印象もだいぶ変わりますね。ちなみに私は、四六判変型のほうが断然好みでございます♡