女風は、用法・用量を守って正しく利用いたしましょう。

既婚ユーザー・ネギブロコの女性用風俗利用日記+日常譚

知る努力

今日は2人とも仕事が休みだったため、「(平日で)人も少ないだろうし、近場に出掛けようか」と夫婦で外出しました。緊急事態宣言及び東京アラートが解除されるまでは、スーパーや薬局にさえ別々に行っていたので、一緒に出掛けるのは2ヶ月以上ぶりです。休日におしゃれをすること自体久しぶりなせいか、ちょっと緊張&新鮮。着替えて自室を出ると、玄関で待っていた夫が「その服、いいね」と言ってくれました。たった一言だけど、すごく嬉しかったな。

 

向かった先は、近くのショッピングモール。ランチをして買い物をしてお茶をする。ただそれだけですが、とってもとっても楽しかった。2人ともテンションが上がって、洋服をたくさん買ってしまったけれど、「最近何も買ってなかったからいいよね」「うん、今日ぐらい経済回そう!」と予算オーバーを正当化(笑)。でも、冗談でも何でもなく、回せる人はどんどん経済を回したほうがいいと考えています。今後も、混雑していない日や時間帯を選んで、少しずつ外出回数を増やしていこうと思いました。

 

そして、買い物も楽しかったけれど、一番良かったのは夫とゆっくり話せたこと。そもそも生活時間軸が違うし(夫=朝型、私=夜型)、今は2人とも家で仕事をしているため気を遣い合ってしまい、あまり積極的に話し掛けません。ビデオ会議をしていたり、集中して原稿を書いていたりするので、お互い「邪魔しちゃ悪いな」と思っているのです。我が家の場合は夜の生活もゼロですから、絶対的にコミュニケーション不足が続いていた。けれど今日は完全なる休日。美味しいランチを食べて、たくさん買い物をして、最後は広いカフェでの~んびり。甘いケーキと淹れたてのコーヒーのおかげで、無口な夫も饒舌でした。そこでものすごく驚いたというか、「私たちって本当に正反対だなぁ」と感じる発言が。

 

「在宅勤務はどう?」という話題になった時のこと。私が「具体的にいつまでっていうのは決まってないけど、当分は基本、在宅だろうなぁ。今は対面での取材も少ないし、その前にイベントもライブもほとんど中止だから…。下半期もこの状況が続くようなら、転職も視野に入れるかもしれない。あ、貯金はちゃんとしてるから家計に影響はないよ。その点は心配しないでね」と話すと、「そっか、分かった。仕事のことは、やりたいようにやればいいと思うし、どんな職種でも応援する。けど、本当にずっと忙しくしてるから、この機会に少し休むっていう選択肢もありじゃない? まぁ何にしても、君が毎日元気で、楽しそうにしてくれてれば僕はそれでいいよ」と返してくれました。私は弱小出版社の記者なので、仕事量も多いし時間は思いきり不規則。夫はそのことをいつも気に掛けていて、「好きな仕事とはいえ、ちょっと働き過ぎじゃないかな。体が心配だよ」とこぼしたことも。ひょっとすると、本心では、もう少し時間に余裕のある仕事に転職することを望んでいるのもしれません。

 

一方、夫は「今月いっぱいは在宅勤務だけど、来月からどうするかの指示はまだない」そう。驚いたのは次の言葉です。「会社がどういう判断をするか分からないけど、僕はずっと在宅勤務でもいいと思ってる。というより、在宅勤務がいい。全部の業務は無理でも、『今のポジションなら7~8割は在宅で出来る』とこの2ヶ月で感じた。ダメ元で上司に提案してみるかも」。えぇぇぇっ‼ そうなの? 2ヶ月間、そんなこと考えてたの⁉ 全然知らなかった…。そりゃそうか、あんまり話してなかったもんなぁ。どうして在宅勤務がいいのか尋ねると、「人と会わなくて済むから。むやみに人と会わなくていい分、ストレスが大幅に減ったんだ」との返事。再び、えぇぇぇっ‼ 彼にとっては、“人と会うこと”そのものがストレスなのか。

 

私は全く逆で、“人と会えないこと”がストレスです。コロナ前まで、毎日違う場所に行って、毎日違う人と話すのが当たり前だったし心底楽しかった。今は何が辛いって、仕事仲間と朝まで話したり、現場でくだらない冗談を言ったり、取材相手のお話を伺って感動したり…そういうことが叶わないというこの現実。中には苦手な人や避けたい人もいるけれど、それでも“人と会うのがストレス”なんて感じたことはありません。夫のシャイな性格を知った上で結婚しましたが、まさかここまでとは予想外だった。そうか、だから彼は「よく初対面の人に突っ込んだ質問出来るね」とか「すぐ打ち解けられてすごいね」とか言うのか。私にとっては楽しいことでも、彼にとってはものすごくハードルが高いんだと、先述の発言で深く理解出来た気がします。そういう意味でも、今日の“休日デート”は大変有意義でした。

 

「夫と私は違う人間だ」ということはもちろん分かっているし、その違いを楽しんでもいます。でも、時々こうやって確認することも必要だなぁと感じました。以前は仕事から帰るやいなや、マシンガンのように「今日はここへ行ってこういうことがあってね」と私が喋り、夫が「うんうん」と頷き、その後「僕はこうだったよ」と小さな声で言う…みたいなルーティーンがあったのですが、在宅勤務になってからそれが一切なくなった。当時は意識していなかったけれど、今思えば、あの時間で自然と“日々のコミュニケーション”が図れていたのでしょう。

 

昔、ある人に「夫婦なんていうのはね、案外何も知らないものなのよ」と言われたことがあります。私は「え~? ずっと一緒にいるのに、『何も知らない』なんてことありますぅ?」と疑いの目を向けつつ笑って返しました。その時は20代前半だったし実際そう思っていたのですが、今なら少しだけ理解できるような気がします。お互いに“知る努力”をしない限り、相手のことを本当によく知らないまま、月日だけが流れていってしまうものなのかもしれません。相手の全部を知る必要も、自分の全部を知ってもらう必要もないけれど、せめて「夫が今、どういうことを考えているか」は知っておけたら素敵だなぁと思います。

 

それでは、おやすみなさい♪