本日、夫と2人で映画を観に行ってきました。
シネコン到着後、まずはネット予約しておいたチケットを受け取るべく、自動発券機へ。土曜日だからか混雑していて、10台以上ある発券機はどこも数組並んでおり列が出来ています。何気なくその列を眺めていたところ、一人のご婦人と目が合いました。キョロキョロと視線を動かし、映画館のスタッフさんを探している様子です。
以前にも綴った通り、私は駅やら路上やらでなぜかロックオンされてよく道を訊かれるのですが、こういう場所でもそれは同じ。明らかにスタッフではないにもかかわらず、「あの…すみません」と助けを求められてしまう率がめちゃくちゃ高い(笑)。御多分に洩れず声を掛けられ、「チケットの買い方が分からないので、すみませんが教えてもらえませんか」と頼まれました。
「全然いいですよ〜。どの作品の、何時の回が観たいですか?」
「『◯◯◯◯◯』っていう邦題で…」
「ええと…1ページ目にはそのタイトルないみたいなので、スクロールして次のページに行きましょう」
「すくろーる?」
「右側のここを触ると、どんどん下に進むので…」
「あぁ、そうやると画面が変わる仕組みなんですねぇ」
「はい。あ、ありましたよ。字幕と吹き替えどっちにしますか? あとIMAX版もありますけど」
「あいまっくすばん…。何だかいろいろよく分からないわねぇ。こういうの、若い人には簡単でも年寄りには難しくって」
「詳しい説明書きもないから、初めてだと難しく感じるかもですね。でも、一度覚えちゃえば案外そうでもないですよ」
「私、次来る時までちゃんと覚えてられるかしら(笑)。あら、チケットが出てきた♪ 親切なお嬢さん、どうもありがとう。とっても助かりました」
シニア世代の女性から見ると、アラフォーの私は「若い人」であり「お嬢さん」の部類に入るのか〜と思いつつ、自分たちのチケットを発券。無事、約2時間の映画を満喫したのでありました。
シネコンを出て少し歩き、和食屋さんで遅めのランチ。タッチパネルで注文を済ませ、あとは頼んだメニューが運ばれてくるのを待つだけです。
「君って本当に話し掛けられやすいよね。さっきだって、あんなにたくさん人がいるのにピンポイントで『教えて』って言われてた(笑)」
「ねー(笑)。まぁ慣れてるし、教えるぐらい何でもないんだけどさ。でも、確かに難しい…ってか分かりづらい部分はあるよね。“誰しも使えるもの”っていう前提で設置してあるけど、初めての人には不親切かもしれないなぁ」
「いつもは案内係のスタッフさんいるのに、今日誰もいなかったから特にね」
「そうそう! 有人レジも空だったよね。あれじゃ有人って謳ってる意味ない(笑)。あのご帰人も、『有人レジ行ったけど誰もいなくて困った、どうしよう…』って感じだったのかもね。ああいう施設の場合、例えばスタッフさんが不在の時は、大きい字で使い方の説明書いたボード置いとくとか、もうちょっと工夫出来たりしないのかな。じゃないと、慣れてない人は心が折れて『あの映画館は選択肢から外す』ってなっちゃいそう」
「あり得ない話じゃないよね。けど、もしかしたら映画館側は『それでいい』って思ってるかもよ」
「えっ、どういうこと⁉︎」
「年配の人とかデジタル化についていけない人とかは切り捨てて、若年層プラス“いろんな変化に対応できる人”だけを積極的に取り込む方針かもしれないじゃない? 仮にそうだとしたら、あのご婦人には気の毒だけど、映画館側の狙いは成功してることになる」
夫のこの発言には心底驚いたし、「私の中には全くない視点と発想だ!」とある意味感心致しました。
夫は職業柄、“経営する側”の立場の方に寄り添う場面が多いです。自分でも「今、仕事モードっぽい喋り方になっちゃった(汗)」と言っていたけれど、なるほどなるほど。ユーザー側ではなく経営側に立つと、物事の見え方や捉え方はガラリと変わってくるものなのかもしれません。「ふぇー…そういう考え方もあるのかぁ」と、大変勉強になりました。
私と夫は正反対な面が多いのですが(*私=社交的・楽観的・夜型・ごはん派、夫=人見知り・悲観的・朝型・パン派等々)、お互い“自分にはないもの”を相手の中に見つけることが度々あり、それを「面白い」「興味深い」「助かる」と感じています。私たちは深く愛し合って夫婦になったとかではないし、夜の営みだってこの先もゼロだろうけど(笑)、「それも一つの結婚の形」と上手く割り切れれば相当楽しいものになり得る。
結婚相手が彼でなければ、女風を利用することも、このブログを開設して皆さまと触れ合うこともなかったでしょうから、「人生とは誠に愉快で、誠に不思議なものでありますな〜」とあらためて実感しております、ハイ♡