女風は、用法・用量を守って正しく利用いたしましょう。

既婚ユーザー・ネギブロコの女性用風俗利用日記+日常譚

愛称呼び

夫と結婚して約3年半、出会ってからは約4年半が経つのですが、いまだに「全然慣れない…」と感じていることがあります。それは、“名前の呼ばれ方”です。


歴代の彼氏や友達、親しい仕事仲間からは下の名前を呼び捨て、仕事関係者からは苗字をもじった愛称で呼ばれることが常だった私。仮にフルネームをヤマダ・アオイとしますれば、「アオイ」もしくは「ヤマ」「ヤマちゃん」「ヤマさん」みたいなイメージ…と表現すれば伝わりやすいでしょうか。私は自分の名前がすごく好きだし、「顔と名前が完全一致」としょっちゅう言われるので(笑)、一番しっくりくるのはやはり呼び捨て。が、夫は私をずっと“ちゃん付け”で呼びます。


略しようがなかったり、語感的にも“そのまま呼びたい名前”ってありませんか? 例えば、ユリエとかマイコとかなら「ユリちゃん」「マイちゃん」と呼ぶのも分かるけれど、ヒカルとかミフユとかだと、わざわざ「ヒカちゃん」「フユちゃん」などと略すより「ヒカル」「ミフユ」のほうが自然だと感じます。私の名前も3文字且つそういう雰囲気なのですが、先述の仮名で言うと、夫の呼び方は「アオちゃん」。

正直、そんな呼ばれ方をしたのは小学生以来で大いに戸惑ったけれど、なんでも夫は「相手を呼び捨てすることに抵抗がある」んだそう。「じゃあ私サイドも呼び捨てはやめとくか〜」と思い夫に愛称をつけてみたものの、私自身も彼氏を呼び捨て以外で呼んだ経験がなく、これが結構照れるんですよねぇ…(笑)。

 


時は遡り、結婚直後の2019年秋。義兄宅へ、夫婦で遊びに行った折のことです。我が夫はリビングで甥っ子とテレビゲームを、私&お義兄さん夫妻はダイニングでお茶を飲みつつ雑談していた際、ふと夫が私の名を呼び、私がそれに呼応するシーンがありました。その光景を見て、驚いた様子で顔を見合わせるお二人。

仮に夫の名をヨウヘイとするなら、私たちは普段と同じく「ヨウちゃん」「アオちゃん」呼びをば致しました。後で訊いたところ、前妻(*夫はバツイチです)とは「ヨウヘイさん」「◯◯さん」と呼び合っていたそうで、「あんなに内向的だったヨウヘイが、奥さんをちゃん付けで呼んでる…! 40を過ぎてからフレンドリーになることもあるんだなぁ」(お義兄さん談)と感激したんだとか。そうか〜、なるほど。この時私は、夫にとっては呼び捨てなんてとんでもないというか、相当ハードルが高いのであろうことを悟ったのでありました。そういえば、「知人はいるけど、友達と呼べる人は多分いない。君のように、長い付き合いの親友も当然いない。だから僕は、女性だけじゃなく男性も呼び捨てにできないんだと思う」的なことも言っていたっけ。う〜む、そりゃなかなかに根が深いよなぁ…。

 

余談ですけれども、私は好きな人とお互いの名を呼び合うのが大好きです。「アオイ」「なぁに?」「ううん、呼んでみただけ♡」みたいな楽しくてくだらないやり取り(笑)から、ベッドで身体を重ねながら、何度も何度も甘〜く呼び合うのも好きだった。夫とは今も昔もそういう関係ではないため、慣れない“愛称呼び”を続けるのはもしや必然なのかもしれません。

一方、女風のセラピストさん達は、7割くらいが呼び捨てです。私はいつも本名で予約しているし、長らくリピートしているセラピストさんだと、彼らを源氏名ではなく本名で呼ぶケースも多々あります。Aタイプ(←本番ありの意)のセラピストさんの場合、名前を呼び合いつつ合体することも多いのですが、行為中に繰り返し名を呼んでも、歴代彼氏に感じたような“愛おしさ”が芽生えたことは皆無(笑)。毎回、「何度セックスしたとて、やっぱり彼氏とセラピストは全くの別物なんだなぁ」と実感できて興味深いです。まぁ、セラピストさんに対して愛おしさを感じてしまったら、女風を上手く利用できていないというか、かなり情が移ってきている証拠なので、その人を指名するのは控えたほうが無難かな〜と思いますけどね。


そんなわけで、夫はある意味、私にとって“特別な人”なんだろうなと感じています。生涯でただの一度も、私の名を呼び捨てしない…いえ、することができない人。近くて遠い、遠くて近い──とっても不思議な存在だし、過去に付き合ったことがないタイプの男性です。彼と一生かけて理解し合っていくのか、それとも無理に理解しようと努めなくてもいいのか…? 今はまだよく分かりませんが、何はともあれ“自分と似ていない人”が側にいるのは非常に面白いし刺激的です。世界は広くて、実にさまざまな人達がいるけれど、「多様性はまず家庭内から」だと、私はそう考えています。家庭は世界、配偶者は宇宙なのであります(笑)!