女風は、用法・用量を守って正しく利用いたしましょう。

既婚ユーザー・ネギブロコの女性用風俗利用日記+日常譚

年賀状2021

突然ですが、私は葉書が好きです。旅先では、国内であろうと海外であろうと、現地の絵葉書を必ず購入。名所や名物の写真が刷られているもの、地元のアーティストによる、何が描かれているかはよく分からないけれどもオシャレっぽいもの、超絶ダサいデザインのもの(笑)等々、毛色の違う絵葉書を何種類か買い、“自分へのお土産”にするのが習慣です。また、趣味の一つがカメラなので、旅から戻ると自分で撮った写真を厳選して数枚プリント。それらと絵葉書を一緒くたにし、適当なサイズの額に入れて部屋に飾っています。旅も趣味だから、トータルすれば随分多くの地を訪れており、いろんな額をボーッと眺めているだけでも楽しい。写真や絵葉書というのは「あの国でこんなことがあったなぁ」とか「あそこでお世話になった人、元気にしてるかな?」とか、“瞬時に当時へと戻る”というタイムマシンっぽいことも可能にしてくれます。簡単に旅できない今、“妄想トリップ”するのにちょうどよいアイテムとも言えましょう。


と同時に、「絵葉書って、世界中の人たちが参加してるコンテストみたい」と昔から感じています。私には、同じサイズのキャンバスを『さぁ!あなたならどう使いますかコンテスト』にしか思えない時がある(笑)。縦位置なのか横位置なのか、はたまた斜めか。スペース全体を使うのか、一部分を使うのか。ドーンと大きくデザインするのか、コラージュしたり何分割かしたりするのか。カラフルか、少ない数の色で勝負するのか、モノクロームか。写真メインか、文字メインか。考え出すと止まらないし、絵葉書の向こう側にいる“作り手”を想像するのが楽しくて、気付いたら結構な時間が過ぎていたりもする。だからなのか何なのか、私は年賀状も大好きです。自分が送るのも、友人や仕事関係者から受け取るのも。


前職ではエンタメ系の雑誌記者をしていたので、レコード会社や事務所から届く年賀状が楽しみでした。大抵、歌手や俳優が“本気を出した姿”(和装とかタキシードとかドレスとか)の写真が刷られているからそれだけで気分が華やぐし、一言コメントを書いてくれることも多く、それを読むのも楽しかった。「今年は全国ツアーをやりたいです」「目指せ紅白!」「連ドラ出演が決まりました‼︎」等々。そうそう、毎年社員総出でふざけている(←褒めてます)レコード会社もあったなぁ。歌手のCDジャケットより凝ったデザインにしてみたり、宣伝部長自ら世相を斬るコスプレ(クオリティは劇的に低い・笑)をしてみたり。エンタメを扱う職種にとって、そういう遊び心は非常に大切だと思います、ハイ。


一方、プライベートで年賀状をやり取りしているのは例年20人前後。日頃しょっちゅうLINEする親友もいれば、年賀状でしか連絡を取らない友人・親戚、地方や外国に住む友人もいる。私は16年間飽きもせず同じ雑誌を作っていたくらいなので、基本的に“創作すること”はこの上ない喜び。毎年、旅先で撮った写真の中から美しい風景ショット1枚、面白ショット5〜8枚くらいを選び、組み合わせて絵葉書を作成してきました。別段年賀状っぽさはないのですが(笑)、余分に刷って自分用をキープ。年明け、先述した額にその一枚をプラスし「去年はここに行ったんだなぁ」と浸ったりしています。もう15年くらい続けているけれど、作っていて毎回楽しいですね。


ちなみに、今日まで一番好評だったのは“誤字シリーズ”。新日の国では、看板やメニューなどを日本語で書いてくれているお店も多いのですが、とにかく誤字の量がエグい(笑)。「足マシサージあります」とか「えぴみぞれスーブ」とか「コツプの中にテイーパツクを3分入れてくだちい」とか、惜しいけれども間違っているものをたくさん見かけます。読めないことはないし、何より「頑張って似た字を探してくれたに違いないわ♡」と思うと愛おしくなってついシャッターを押してしまう。気付いたらそういうショットがたまっていたので、番外編として“誤字シリーズ”を作成したところ、それがどの年よりも好評でした。あと、“世界の紙幣&硬貨シリーズ”も評判が良かったな。特に小さい子を持つママ達から、「生きた教材」的なことを言われて感謝されました。そんなつもりは全くなかったものの、役に立てたなら結果オーライです(笑)。


そして、自分が受け取って嬉しいのは、送り主の個性が爆発している年賀状。カメラマンさんの年賀状は、“その年のベストショット”が刷られていることが多いので、毎年すっごく楽しみ。やはりプロが撮る写真というのはスゴイです。レベルが全然違う。あとは、賛否両論あるようですが、家族写真が刷られている年賀状も私は好きです。「◯◯ちゃんの子供、もうこんなに大きくなったんだ!」「長男、お父さんにめちゃ似てきたなぁ」「◯◯さん、だいぶ恰幅がよくなったけど健康状態大丈夫かいな…」「これは一体どこで撮った写真なんだ⁉︎」とか、単純に見ていて楽しかったり、相手の現状が伝わってきたりするからです。確かに、婚活中だったり妊活中だったりすると「幸せな姿を見せつけられているような気がして辛い」と感じてしまう人もいるかもしれないけれど、だからといって「家族写真の年賀状はやめよう」なんて考えなくていいと思います。悪気があるわけじゃないし、あくまで“相手の受け取り方次第”だと思うので。私だって、仮に「家事と育児に忙しくて、とても旅する余裕なんかない。辛いから、旅先での写真は遠慮して」みたいなことを言われたら、その人には年賀状自体送るのをやめます。諸々含め、大変に面倒くさい(笑)。


ただ、一つ残念というか「寂しいな」と感じている年賀状はあります。それは、“子供だけの写真”が刷られたもの。私はその子たちの親と友人なのであって、子供たちの友人ではありません。なのに、友人自身の写真がないと「あぁ、彼女(或いは彼)の様子は分からないのか〜」と若干ガッカリしてしまう。あれって、どうして子供だけの写真なんでしょうね? 考えても考えても、全然分からない…。


さてさて、お正月以外はどこへも旅できなかった2020年。悩んだ挙句、いわば“総集編”のような年賀状を作りました。これまで国内は38都道府県(出張含む)、海外は12ヵ国訪れているため、セレクトだけでもひと苦労。この先数年間は旅に出られない可能性も考え、現状「撮りためた写真を小出しにしていこうかな」と思っています。今まで日の目を見なかった写真たちも、10年以上経って「まさか自分が年賀状の一部になるとは!」と驚いていることでありましょう(笑)。