女風は、用法・用量を守って正しく利用いたしましょう。

既婚ユーザー・ネギブロコの女性用風俗利用日記+日常譚

ハグを取り戻せ

先日、ネットで調べものをしていた際、偶然「『おんぶ』をせがむ小・中学生たち 生育環境で得られなかった『愛』を求めて」という記事に出会いました。かいつまんで言うと、幼少期に家庭での愛情が不足していた子供達は、小学生はもちろん、中学生になっても大人からの愛情(その中に、おんぶ等のスキンシップも含まれる模様)を求める場合がある──というような内容でした。この記事を読んでハッとしたというか、「そういうことだったのか〜」とある意味納得。


何度か書いている通り、私は両親とほぼ連絡を取っていません。交流を避けているというか、「絶縁しても特に問題ない」と思うほど彼らのことが嫌いだからです。まぁ、いわゆる毒親なのでね…。


振り返ってみると、私は親に抱きしめられたり、頭を撫でられたり、何かを褒めてもらったという経験(記憶)がありません。両親のことは早い段階から嫌いだったので、スキンシップがないことを「寂しい」とは感じなかったけれど、各年代で“お母さんっぽい人”の存在は求めていたかもしれない。


まず最初は幼稚園の先生。彼女は当時20代半ばだったと思いますが、優しくていつもニコニコ接してくれるT先生のことが大好きでした。園内で彼女を探しては、「抱っこ〜」と駆け寄っていたように記憶しています。今もフルネームを覚えているくらいだから、よほど好きだったのでしょう。続いて小学校低学年の時の担任・K先生。40〜50代の貫禄があったものの、ひょっとしたら実年齢はもっと若かったのかもしれません。とにかく厳しくて&怖くて、曲がったことが大嫌いな方だった。クラスメイトは皆「コワイ…」と恐れ戦いていたけれど、私はすごく好きでした。子供を子供扱いしない方で、小学生相手に「家族がいても友達がいても、人間というのは最後は一人です。一人で生きていける大人になりなさい」とか「努力することは大変素晴らしい。けれど、“努力が全て報われる”というのは幻想です。夢を叶えられる人なんてほんの一握り」的なことを真顔で説くような先生でした(彼女の笑顔、2年間で一度も見ていないような気がする)。優しい先生も当然必要ですが、彼女のように「対人間」として厳しく接し、“本当のこと”を毅然とした態度で教えてくれる先生もまた必要だと感じています。


先週の土曜(20日)、NHKで放送中のドラマ「ここは今から倫理です」の第5話で、タイミングよく似たテーマを扱っていました。ドラマの舞台は、とある高校。その男子生徒は、家庭環境のせいか“人との距離の取り方”があまり上手くない。心を開いていない人に対してはよそよそしく接するけれど、気に入っている人や信頼出来る人に対しては逆で、やたらくっついたり甘えたりする。保健室の先生(女性)にも倫理の教師(男性)にも同じようにくっつくので、異性に触れたいとかではなく、単に“大人”に甘えたいんだと思います。保健室の先生は生徒の心…いえ、希望に寄り添い、頭を撫でて「よく頑張ったね」と褒めたり、彼が必要以上にくっついてきても拒まない。一方、倫理の教師は「彼を救いたい」と思いながらも、腕を組まれれば「もう少し離れて歩きましょうか」とやんわり拒否したり、生徒から涙ながらに「先生、ぎゅっとして」と懇願されても抱きしめることを選びません。それは冷たいとかでは決してなく、もし相手が女子生徒だったら同じように出来ないし、生徒には全員平等でいたいし、「どう振る舞うのが最善か?」を考えた末の決断だと思います。どちらの先生も間違っているとは思えない。


ただ、もし私がこの生徒だったら…受け入れてほしい、認めてほしい、抱きしめてほしいと思うだろうなと感じました。教師の立場だったとしても、「抱きしめてあげたい」と感じると思う。されど、それが正しいことなのか、本当に生徒のためになることなのかどうかは分からない。自分の目の前に、傷付いた生徒やハグを求めている生徒がいたら、考えるより先に体が動いてしまうんじゃないだろうかと予想します。もっとも、冷静な判断が出来ない私のような人間は、教職には不向きでしょうけども(汗)。


話が逸れましたね。社会人になってからは、他社に大勢いる“母親世代”の方々に、何から何まで面倒を見ていただきました。中でも「実はあんた、娘と同い年なのよ。私の子みたいなもんだから、いつでも頼っていらっしゃい。遠慮は無用」と言ってくれたライバル誌の編集長にはお世話になりまくり、私も「この人がお母さんなんじゃないか?」と思うほど慕っています。私は昨秋退社、彼女も少し前に編集長職を離れたけれど、現在も定期的に連絡を取り合ってはいろんなことを話す仲です。少々口は悪いですが(笑)、行動力と包容力があって、豪快さと同時に海より深い優しさも持ち合わせており、「もしや肝っ玉母さんってこういう感じなのかなぁ」と思わせる雰囲気。仕事もバリバリ、家族にも家族じゃない私にもたっぷりの愛情を注ぎ、一体いつ休んでいるのか謎な女性です。パワーの源は、「人のカネで飲む酒(笑)」みたいですけどね。


さてさて。女風ユーザーとなって、1年ちょっと。私がセラピストさんにハグをたくさん求めがちな理由は、「夫とのスキンシップがほぼないから」だとばかり思っていたけれど、それだけじゃないのかもしれません。先述の記事を読んで、そして幼少期をガッツリ振り返ってみて、そう感じました。無意識のうちに触れ合いを求め、子供の頃に足りなかった“ハグ”や“頭ポンポン”を、大人になった今こそ取り戻そうとしてるのかしら…。


緊急事態宣言の解除も視野に入ってきた今日この頃。女風の利用再開が実現したら、記念すべき一発目は「ハグ5割増しで♡」ってリクエストしようかなぁ♪