女風は、用法・用量を守って正しく利用いたしましょう。

既婚ユーザー・ネギブロコの女性用風俗利用日記+日常譚

《小噺 十九. トップの条件》

あくまで私見ですけれども、「売れてるホストと売れてるセラピストって、何だかちょっと似てるな〜」と感じています。


自費でホスト遊びをした経験はないのですが、前職(雑誌記者)で数回、ホストの皆様方にお世話になる機会がありました。ホストクラブの店内というのは、煌びやかだったりド派手だったりするケースが多く、まさに“非日常空間”。そのため撮影場所としてお借りすることや、ホストさん込み(←被写体として)で稼働してもらうことが何度かあったのです。


私生活で接触したことのあるホストといえば、新宿界隈の路上ですれ違うとか、深夜或いは早朝のコンビニに偶然居合わせるとか、本当にその程度。だから、初めてじーっと目を見つめられつつギランギランの名刺を手渡された時は、「わぉ、“ザ・ホスト”って感じ♪」と感動すら覚えた次第。


で。ホストさんが何名かおられる場合、誰がどのくらいの位置にいるのか最初は分かりません。ナンバーワンの方は大抵自己申告しないので、オーナーさんなり後輩くんなりが「当店のナンバーワンです!」と我々に紹介してくれる。そして、私の感想はいつも同じです。

「え…この人が???」

つまり、“ナンバーワン≠店一番のイケメン”。造形だけで言うと、ナンバーワンより美しいお顔の持ち主は他に結構いるのです。


でも、直接話をしたり、撮影に協力してもらったりして同じ時間を過ごすと大いに納得する。距離の詰め方、話題の豊富さ、さり気ない気遣い、絶妙なボディータッチ、笑顔の威力、抜かりなき営業(笑)、言葉のチョイス、マメなアフターフォロー等々。ナンバーワンのホストさん達は、各店「もし私がお客だったら、やっぱりこの人を指名するだろうな」と思う方々ばかりでした。

要するに、大事なのは、如何にトークで楽しませるか、いろんな意味で“特別感”を味わわせるか、いい具合に夢を見せられるか…等であって、イケメン云々は二の次と言いますか、優先順位の1位ではないんですよね。


私も当然イケメンは好きですが、「イケメンじゃなきゃ嫌だ」ということでもありません。人気の高いセラピストさんも、みんながみんな「すんごい美男子♡」とかではなかった(*私調べ)。

実際、“お気に入りセラピストさん”達をリピート指名するのは、「お顔が好みだから」という一点ではなく、「その人のホスピタリティーやサービス精神、プラス人間性が好き」という理由です。あ、もちろんエロさと適度な筋肉(筋肉フェチなので・笑)はマストですけれども、“麗しいルックス”は別に必須項目じゃない。そういう部分が「ちょっと似てるな」と思いました。


あとは、お客さんに対して過度な色恋営業をしたり、「搾り取れるだけ搾り取る」「骨の髄までしゃぶりつくす」という輩がどちらの世界にもいる…という点も似てるかなぁと。


昔、ホストにどっぷりハマって昼職→夜職へと変わった知人がいました。結論から言うと、彼女の“変化”は職業だけでは済まなかった。当時「田舎の両親に縁を切られた」とこぼしていたし、人生が丸ごと変わってしまった様子でした。

傍から見れば、“便利な金づる”扱いされているのは火を見るより明らか。ただ、ああいう時って多分、周りがいくら忠告しても耳に入らないんですよね。本人が自ら気付いた上で決断して、強い心で行動しないと関係を断ち切れないんだと思います。「私は今幸せだし、悪いけど放っといてほしい」と言われたら、私のような“単なる知人”が口を挟むのはなかなか難しい。


「相手に大金を貢がせようが、沼らせようが苦しませようが、果ては職を変えさせようが、特に何とも思わない」という人間は確実に存在します。ホストの中にも、セラピストの中にも。よって、誰かに依存しやすかったり、割り切ったお付き合いが苦手だったりする方は、慎重に利用する…もしくは“最初から利用しない”ほうがいいかもしれません。

沼るのも貢ぐのも個人の自由だけれど、少なくとも私の目には、彼女が心から「幸せ」と言っているようには見えなかった。むしろ「私は幸せなんだ」と自分に言い聞かせているように感じました。彼女、元気にしてるかな。元気でいてくれるといいな。