女風は、用法・用量を守って正しく利用いたしましょう。

既婚ユーザー・ネギブロコの女性用風俗利用日記+日常譚

嬉しい気持ち

皆さまは、普段“文字を書く機会”って多いですか? それとも少ないでしょうか。

私は現職・校正者(←もうすぐ退職しますけどね)なので常に何かしら書いていますし、長年記者だった影響もあってか、公私ともに「すぐメモを取る」「とりあえず書き留める」ことが当たり前となっています。当ブログはスマホ及びノーパソで打っているけれど、22歳の頃からほぼ毎日つけている日記は全て手書き。よって、人生で一番目にしている文字は、ひょっとしたら“己の字”なのかもしれません(笑)。

 

一方、我が夫は文字を書くのが苦手です。というか、「自分の字が大嫌い」だそうで、「出来れば一生書きたくない」んだとか。その徹底ぶりはそりゃあ凄まじく、知り合って早や4年が経とうとしているのに、彼の直筆文字を目撃したのは何と2回だけ。婚姻届にサインした時と、夫のスマホが故障して連絡手段がなかったため、「やむなくメモ書きを残した」時のみです。

2018年に出会って以降、賃貸マンションの契約書も、彼のご家族への年賀状も、宿帳や芳名帳への記入も、100%私の担当。それは全然構わないのですが、夫婦2人で行動していると、大抵夫のほうに「ご記入お願いします」とペンを差し出されるんですよね。その度に「あ、私が書きます」と申告しなくてはならず、無駄に“カカア天下感”が醸し出されてしまう点は、若干不満に思ったり思わなかったり致しますねぇ、ハイ(笑)。

 

さて。どうしてそんなに書きたくないのかを尋ねた際、「字がすごく下手だから」と返してきた夫。でも、婚姻届を見た私の印象で言うと、「確かに美文字ではないけど、別段下手ってわけでもない」という感じでした。

仕事柄、20年近い歳月「ぬ…これは何かの暗号なのですか?」と疑いたくなるほどの悪筆や、“癖が強すぎて異常に読みづらい字”“他者に見せることを想定して書いているとは思えない字”というのも山ほど見てきた私からすれば、夫の文字は下手な部類には入りません。日本語の使い手なら誰でも理解できる文字だし、何より初見でちゃんと読めます。

“とんでもなく下手な字”や“強烈な癖字”というのは、見慣れないと本当に判読不能で、簡単には解けない難問を出題され続けているような気分になります。出版社勤務時代、編集担当を任された作家さんの「尋常じゃない癖字」(前任者談)を正しく読めるようになるまで、半年以上は掛かったっけ…。それに比べたら、夫の字なんてかわいいものと言いますか、「気にする必要全くないじゃん!」というレベル。

 

ただし、「コンプレックスというのは本人にしか分かり得ない」とも思います。


例えば。他人からすると十分素敵な容姿を持っていても、“本人が求める美しさ”を延々と追求してしまい、美容整形やダイエットを繰り返す方。魅惑的且つ特徴のある声をどうしても好きになれず、“極力喋らないで済む仕事”を選ぶ方。そして、さほど下手ではないのに、「自分の字が大嫌い」で「出来れば一生書きたくない」とまで言う我が夫──。

私自身も決して綺麗な字が書けるわけではなく、どちらかと言えば“癖のある文字”だと思いますが、多分「それを気にする性格ではない」というだけなんですよね。仮に、夫が私と寸分違わぬ筆跡だったとしても、彼の性格や思考回路から察するに、それはそれで「僕は癖字だから書きたくない…」と気後れしてしまう可能性が高いことでありましょう。


同じ映画を隣で観ても、印象深い箇所とか全体の感想とかが異なるように、コンプレックスや“誰も気に留めてないかもしれないけど、自分の中では気になること&避けて通りたいこと”も人それぞれ。私は「ちっとも下手じゃない」と感じているものの、夫本人が「自分の字が嫌い」だと言うのなら、代わりにいくらでも書こうと思います。私にとっては、文字を書くことなんて1ミリも苦じゃなく、むしろ好きな作業ですからね♡


私たち夫婦は、熱烈に愛し合って一緒になったとかでは全くないし、相変わらず性生活もゼロですが、こうやって助け合ったり補い合ったりできる時、「やっぱり結婚して良かったなぁ」とあらためて実感します。『誰かの役に立てた』という事実は、それだけで“とっても嬉しい気持ち”になれるものなんですね♪