女風は、用法・用量を守って正しく利用いたしましょう。

既婚ユーザー・ネギブロコの女性用風俗利用日記+日常譚

出会いと出逢いと別れ

人生初の転職をした、昨年3月末。急病→入院による4ヶ月弱の休職期間を含め、計1年半お世話になった勤務先を、9/22付で円満退社致しました(*退職を決めた経緯等は過去記事に綴っておりますので、気になる方はそちらをお読みくださいませ)。

 

あらためてご紹介しますと、私が就いたのは校正&校閲業です。

私は前職で16年間、出版業に携わっておりましたゆえ、一から学ばずとも基本的な校正の知識は頭に入っています。更に幸運なことに、校正のメインは音楽もの(CDジャケットやブックレット、ライブDVD等)だったため、“元・エンタメ系雑誌の記者”の経験や人脈をフルに近い形で活かすことが出来た。これは大変ありがたかったですね。

 

この1年半を振り返れば、記者時代に輪を掛けて〆切に追われる日々の中(笑)、「に、逃げたい…」と思ったことも一度や二度ではありません。なれど、仕事自体はめちゃくちゃ楽しかったし刺激的でした。

前職では16年間同じ雑誌を作っていましたので、“連日違う作品に触れまくる”というのは全くの初体験。手掛けるジャンルは、音楽ものを中心に、多言語もの、映像もの、教育もの、ゲームもの他、実に多岐にわたります。全て発売前の商品ですから、当然“まだ世に出ていない作品”なわけで、それらをいち早く目に出来る喜びだったり、「自分たちの手で誤字・脱字をなくす」という使命感や達成感だったりが非常に大きかった(その分プレッシャーも大きいですが・笑)。

そして、クライアントから「あの誤字全然気付かなかったよ、助かった!」とか「御社にお任せして良かったです。また次回も宜しくお願いします」とかの言葉を掛けていただいた時は、この上ない喜びを感じます。だから、会社には感謝しかないというか、「新しい経験、貴重な経験を沢山させてくれて本当にありがとうございました‼︎」と言いたいです。

 

 

ですが、実は一番感謝しているのはその点ではございません。私が会社に対して最も謝意を伝えたいのは、「自分史上最大の推し」と出逢わせてくれたことです。


私は無類の音楽好きで、これまでも現在も、応援している歌手やバンド、演奏家等が大勢います。ただ、周りからは「本当、“広く浅く”だよね〜」と度々言われるし、自らもそう思っております、ハイ(笑)。

「誰々命!」的な感じで、その歌手が取り上げられる全メディアをチェックしないと気が済まないとか、ライブは全通がマストとかもないし、ファンクラブに入ったことも、誰かに手紙やメッセージを送ったこともない。もちろん、崇拝も幻滅もしない。

何より私は、「お金を落とすことが一番の応援だ」という考えなので、CDを買い、ライブに足を運び、そのライブBlu-rayを買って再び家で楽しむ…みたいなことを、どの歌手に対しても満遍なくやっています。まさに「広く浅く」ですね(笑)。

 

そんな私が転職後、湯水のようにお金を使ってもいい…いえ、「ぜひ使わせてください‼︎」とまで思えるユニットに出逢ったのです。

彼らの担当になったのは、入社してすぐのこと。当時はユニット名くらいしか知らず、ちゃんと歌を聴いたこともありませんでした。しかしながら、彼らは大所帯だし、歌詞の半分近くが英語。①音楽が好き、②耳と記憶力がいい(メンバーの声の聴き分け、顔や体型での判別が可能)、③英語に抵抗がない、という3点から「入ったばかりで荷が重いかもしれないけど、ぜひ◯◯さん(←私の名前)に担当してほしい」と上司より言われて引き受けることに。

担当としてクライアントへご挨拶に行くと、「熱烈なファンが多いし、リリック(歌詞)が命だから誤字は厳禁。ひとつヨロシク!」と先方に笑顔で脅された(笑)こともあり、すぐさま彼らについて猛勉強。

それまでにリリースされた全楽曲を聴き&リリックを読み込み、MVも全て視聴。彼らの場合はCDジャケットやブックレットのみならず、聴き校正(実際の歌声と歌詞表記が一言一句合っているかのチェック)、MVのリリックチェック、各種グッズの色及び文字校正他、“ありとあらゆる校正を弊社に依頼される”という若干特殊な契約だったため、全てを知っておかないと対応出来ない予感がプンプン致しました(笑)。

 

この予習の時点で、既に私は彼らに魅了されていたと思います。繊細でもあり骨太でもある歌声、高い表現力と向上心、全体のバランスの良さと“際立つ個性”の共存──。そして、私がこれまであまり聴いてこなかった…というか、正直に言えば苦手としていたジャンルの音楽。その重〜い扉を、彼らはいとも簡単に開けてくれたのでした。


今では、彼らの歌声を聴いたり、ライブ映像を観たりしない生活は考えられません。

私はもともと「音楽がないと生きていけない」タイプの人間だし、実際、音楽を聴かない日というのは一日もない。でもそれは、“毎日違う歌手やらバンドやらの楽曲を聴く”ということであって、“誰か1人(1組)の音楽を聴き続ける”のとは違います。過去に、ハマった曲や覚えたい曲をループで聴いた経験はあるけれど、「ずーっとあの歌声を聴いていたい。日がな一日、あの世界観に浸っていたい」と感じたのは初めて。そして、どっぷり浸かることが「こんなにも心地よくて気持ちいいものなんだ」ということを知りました。“推しがいる人生”って、本当に素敵&最高ですね♡

 

さりとて、物事には必ず終わりがあります。永遠を願いつつも、実際にはその活動が永遠でないことは、本人たちも、私たちファンも分かっている。だからこそ、いずれ迎えるであろう“終幕の日”まで、全力で応援し、全力で楽しもうと思っています。彼らと同じ時代に生きていられること、そして出逢わせてくれた勤務先に、心から「ありがとう」と言いたいです。


彼らを知ったきっかけは「仕事でやむを得ず」だったけれど、入り口なんて何でも構いません。大事なのは“出逢えるか否か”。そして、出逢った後に惹かれるか否か、「もっと聴きたい」「もっと知りたい」と思うか否か。 

そういう面でも、初の転職は大いに意味がありました。私の中の“音楽の世界”がまた一つ広がり、自分でも驚くほど“推せる人たち”と出逢えた。偶然だろうと必然だろうと、そんなものはどっちでもいい。目の前にあるのは、彼らの歌に感動し、癒やされ、勇気づけられる毎日を送れているという事実です。私は非常にラッキーだったと思います。


大っ変長く&暑苦しくなりましたが(汗)、最後に。私の人生をより豊かにしてくれて、本当に本当にありがとう♪ その歌声を聴くと、パフォーマンスを観ると、耳も目も何もかも、全身丸ごと幸せになります。やっぱり、音楽の力というのは偉大です。“音楽のある世界”に感謝!