女風は、用法・用量を守って正しく利用いたしましょう。

既婚ユーザー・ネギブロコの女性用風俗利用日記+日常譚

矜持と妥協 part1

ドラマ「パリピ孔明」(フジ/水曜22時〜)を毎週楽しく観ています。原作漫画(原案:四葉タト、漫画:小川亮)はもちろん、昨年放送されたアニメ版「パリピ孔明」(TOKYO MX)が大好きなだけに、実写化されると知った時は、「どうかあの世界観を壊さないでくれ〜!」という切なる願いを抱いたのでありました。

ところが。いざ蓋を開けてみれば、諸葛孔明(“現代の日本に転生した”という設定。主人公の軍師として活躍。演=向井理さん)をはじめ、月見英子(主人公でアマチュアシンガー。孔明に導かれ、歌手としての成功を目指す。演=上白石萌歌さん)、小林(孔明&英子の面倒を見る、ライブハウスの強面オーナー。演=森山未來さん)、ミア西表(歌手。最初は英子につらく当たるも、やがて良き友に。演=菅原小春さん)などなど皆ハマリ役で、アニメと同じくらい楽しませてもらっています。特に8日放送の第7話「英子TV出演決定?  企みを阻止せよ!」は、感動と驚きに満ちた回でした。

ざっくり言うと、7話の概要はこんな感じです。


     ↓↓↓以下、ネタバレあり↓↓↓

 

 

 

急病で倒れ、予定していた音楽番組への出演が不可能となってしまった英子。孔明の作戦により、ミアが彼女の代わりに出演を果たす。ミアは英子のオリジナル曲「DREAMER」を全身全霊で歌い上げ、まだ知名度の低い“EIKO”の名、及び「DREAMER」という曲名を世に知らしめる。同時に、ミア自身の評価を上げさせることにも成功したのだった──。


ミアは、実力と人気に加え、歌手としての矜持も持ち合わせている人物です。けれど、所属レコード会社の戦略・方針と合わず、“やりたい仕事”をなかなかさせてもらえません。本当は「バラードを歌いたい」のだけれど、レコード会社のトップは“キレッキレのダンス+歌”を売りにしたいため、ミアに派手なダンスチューンばかり歌わせる。だからこその我儘放題と言いましょうか、ダンスレッスンはサボりまくるし、担当マネージャーさんにも酷い態度を取ります。でも、実は陰でボイトレに通い、人知れず歌を磨き続けている…。そのミアが必死に歌った「DREAMER」(←ちなみに念願のバラード)は、彼女自身とリンクする歌詞の内容も相まって、人々の心を大きく揺さぶります。


私見ですが、英子が歌う「DREAMER」は、透き通るような歌声でしっとり聴かせ、確かに耳に心地いい。ただ、「一聴して心を掴まれるか?」「『何としても彼女を売り出したい、世間に広めたい!』と感じさせるほどの歌か?」と問われたら、個人的な答えはNOです(第1〜7話までの歌声を聴く限りでは)。けれど、ミアの「DREAMER」を聴いた瞬間、一音目から感情がバキバキに動かされた。ミアが歌う「DREAMER」は、英子のそれとはまるで違う歌のように聴こえたし、ハスキーボイスでパワフルに、それこそ“魂の叫び”が如く歌い上げる姿から、一瞬たりとも目と耳が離せませんでした。そして、「菅原さんってダンサーさんだよね? 歌もこんなに上手いなんて‼︎‼︎‼︎」と心底びっくり。

菅原さん、今後現実世界でも歌手活動してくれないかなぁ♡ もし彼女がライブを開催する日が来たならば、絶対観に行きたいです。生歌、ぜひとも聴いてみたい。歌の上手さや表現力の素晴らしさもさることながら、声そのものがすっごく魅力的だと感じました。

 

 

さて。毎度お馴染みではございますが、私は音楽が大好きです。ゆえに、いち音楽ファンとしても、雑誌記者(*2020年秋まで)としても、“本当にやりたいこと”が出来ずに苦悩する歌手やバンド、グループ等をたくさん見てきました。例えば。本意ではないテイストの衣装を着せられたり、望まないのにアイドル的な売り出し方をされたり、1曲ヒットした途端タイアップのオファーが押し寄せて創作意欲が削がれたり、等々。

これは非常に難しい問題というか、この先も決して無くなることのないテーマでしょうね…。


“本人が望むこと”を自由にやって万事上手くいく…というのが一番いいし理想だけれど、プロ歌手というのはあくまでお客さんあっての商売です。趣味ではなく、完全なるビジネス。圧倒的な才能や独創性、または強力なコネクションがある場合は別ですが、常に需要と供給のバランスを考えながら活動しなければいけないし、売り出しに掛かった費用の回収だってする必要があります。自分一人で動いているわけではない以上、「あれがやりたい、これがやりたい」だけで通用するほど甘い世界ではありません。それに、名前が売れてくれば意見も通りやすくなるので、“割り切って、ある程度の期間は我慢する”、或いは“言うことを聞いているフリをする”のも賢いやり方だと思います。そのあたりを理解しようとしなかったために、「大手を飛び出したはいいが、その後全く食えず苦労している・後悔している」人を大勢知っています。もちろん、「今好きに活動できてるから辞めてよかった」人達も存在しますけどね。


個人的な意見としては、望むにしろ望まないにしろ、「どんな歌でもきっちり歌えるのがプロ歌手」だと思っています。その作品をリリースするかどうかは置いておいて、歌でお金を稼いでいるのだから、“歌えない歌”はないほうがいいだろうなと。自分に置き換えてみますれば、(記者時代の私なら)「思いきり堅い感じで書いて」と指示されたらそうするし、「このコーナーは親しみやすい文体でお願い」と頼まれたらそうする。オーダー通りに書きつつも、その中に“自分らしさ”を紛れ込ませることは、ある程度経験を積めば割とすんなり出来ますからね〜♪


ですが。「クオリティーは捨てていい。スピード重視で、とにかく量を書いてほしい」的なオーダーをされたら話は別です。これは実際、数ヶ月前に言われた言葉なのですが、正直、今思い出しても反吐が出ますねぇ…。

既に長くなってしまいましたゆえ、このお話はまた次回、綴ることに致しましょう。