女風は、用法・用量を守って正しく利用いたしましょう。

既婚ユーザー・ネギブロコの女性用風俗利用日記+日常譚

人間の命と、“その他”の命

周知の通り、2024年は大変な幕開けとなってしまいましたね…。

 

1月1日の16時過ぎ、石川県能登地方を震源とするM7.6、最大震度7の「能登半島地震」が発生。現在も余震が続いており、気象庁によれば「今後約1ヶ月間、最大震度5以上の余震に注意が必要」とのことです。


翌2日18時前には羽田空港で、日航機516便(エアバスA350)と海上保安庁の機体が滑走路上で衝突、炎上。海保機に乗っていた隊員6名のうち5名が死亡、日航機に乗っていた計379名(乗客367名/乗員12名)は、衝突から約18分という短時間で全員脱出し、奇跡的に犠牲者はゼロでした。

海保機が能登半島地震の支援に向かおうとしていたことを考えると、二重に苦しいと言いますか、何ともやりきれない思いが胸にこみ上げてきます…。地震でお亡くなりになられた方、そして5名の隊員の方々のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。

 

 

伴って議論されているのが、“ペット問題”です。

日航機516便にはペット2件の預け入れがあり、フライト中、ペットが過ごした場所は規約通り貨物室。JALは「今回2件の(ペット)お預かりがございましたが、残念ながら救出ができませんでした。お悔やみを申し上げます」と発表しています。これに対し、多くの著名人・芸能人等が「ペットは家族の一員。貨物室ではなく客室で一緒に過ごせるようにしてほしい」旨の発言をSNS等でしているのだとか。正直言って、驚いたというか呆れたというか、「皆さん、それ本気で言ってるんですか...?」と思いました。


私も動物は大好きですが、飼おうと思ったことは一度もありません。なぜなら、動物を飼うというのは、“一つの命に対して全責任を負う”ことに他ならないからです。最期まで面倒を見るのは当然として、何かあった時に彼らを最優先したり、趣味である旅行を諦めたり、日常的に焚いているお香やアロマキャンドルを室内から完全撤去したり…そういうことも全て含まれると考えています。それが出来ない人間には、動物と共に暮らす権利も資格もないと思う。

事実、私の周りの愛犬家・愛猫家たちは皆、犬や猫中心の生活を送っており、「旅行するとしても1〜2泊。その間は当たり前だけどペットホテルに預ける」「飛行機に乗せるなんてとんでもない! ペットが貨物室扱いなのは知ってるし、緊急時に置いていかれることも分かってる。そんな条件で乗せるほうがどうかしてるよ」「機内は0.8気圧くらいだから、耳への影響も心配。引っ越しとか転勤とかだったら仕方ないのかもしれないけど、『愛犬と飛行機で旅したい』なんて思ったことないなぁ」という人ばかりです。みんな愛犬や愛猫のことを一番に考え、“飼い主側がペット側に合わせる暮らし”を選んでいます。


それに、獣臭や動物の毛、鳴き声等が苦手な方、そもそも動物アレルギーの方も大勢いらっしゃいます。平時でも無理なのに、有事の際、密閉された空間で動物たちと一緒だったら…。想像しただけで恐ろしいし、仮にアナフィラキシーショックでも起こして命を落としてしまったら、飼い主の方はどう責任を取るのでしょうか。「命は平等」「ペットは家族」的なことを主張しておられる方々は、もし隣席のペットの影響で自分の大切な人が亡くなっても、同じことが言えるんですかね…? 大切な人の命より、動物の命が優先されたとしても、「平等だから仕方ない」と本当に思えるんでしょうか。


古くは南極地域観測隊のタロ・ジロから、近年で言うと東日本大震災まで、“緊急時における動物の置き去り”は幾度となく繰り返されてきました。残酷かもしれませんが、それが現実であり明確な答えだと感じています。我々人間にとって、一番重いのは人命であり、何かあった場合“その他の命”は切り捨てざるを得ません。それでも「どうしても」と言うのなら、ペットを客室に持ち込めるサービスを展開している航空会社を利用するなり、プライベートジェットをチャーターするなりしてくださいとお伝えしたいです。ごく普通の旅客機に対してペットの同乗を求めるのは違うと思うし、「既に存在するサービスがあるんだから、迷わずそっちを選んで使ってくれよ…」と思います。


機体が炎上している映像を見る限り、全員が助かったのがとても信じられないというか、奇跡以外の何ものでもないように感じました。まずそのことに感謝したほうがよいのでは?と思います。もし1人でも犠牲者が出ていたら、ペットのことは話題にもならなかったんじゃないかなぁ。重箱の隅をつつくというか何というか…。個人的には、「海保の方が5人も亡くなっているのに、ペット云々言ってる場合か?」というのが嘘偽りない正直な気持ちです。

この記事を読んで、気分を害された方がいらしたら申し訳ありません。でも私は、人間と動物の命が同等だとは全然思わない。もちろん蔑ろにするという意味ではなく、毎日の食卓に並ぶ肉も魚も、「いただきます」を述べてありがたく食します。“別の命をいただいて自らが生き延びている事実”をあらためて認識し、これからも感謝しながら食す所存です。

 

=追記=

これまでは羽田⇔北九州線限定だったスターフライヤー(本社:北九州)の機内ペット同伴サービス『FLY WITH PET!』が、今月15日より国内線全路線・全便に拡大されました。「持ち込めるのは小型の犬と猫、料金は一匹につき50,000円」だそうです。なお、同社の規約には「緊急脱出が必要になった場合、ペットは連れていけませんので、機内に残して脱出いたします」と明記されています。貨物室であれ客室であれ、“緊急時にペットが置いていかれる現実”は、当然ですが何も変わりません。

ただ、“利用者の選択肢の幅”が広がること自体は大歓迎です。「動物同伴の客室は御免被りたい」という考えの私は、スターフライヤー機に生涯乗らなければいいだけのこと。むしろ「大変な役目を担ってくれてありがとうございます」という気持ちです。